デルモベート軟膏 販売中止? 強い薬の製造元と薬局での購入、代わりになる市販薬まで完全網羅

そんな衝撃的なニュースが飛び込んできて、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
こんにちは!医療情報にもアンテナを張っている、当ブログ筆者の「どこストア」です。
デルモベート軟膏といえば、ステロイドの中でも最強クラス(I群:ストロンゲスト)に分類される、非常に強力な処方薬です。
皮膚科で処方され、「これじゃないと効かない!」という方もいらっしゃるはず。
この記事では、デルモベート軟膏の販売中止に関する正確な情報と、私たちが今すぐ知っておくべき「今後の対策」について、誰にでも分かるように、徹底的に解説していきます!
・販売中止を決めた製造販売元はどこ?会社の公式発表を確認
・デルモベート軟膏 販売中止の時期はいつ?今後の流通スケジュールをチェック
・デルモベート軟膏の「強さ」と「有効成分」を再確認:どんな皮膚疾患に使われていた?
・最強クラスI群ステロイドの販売中止がユーザーに与える影響と今後の注意点
- 【速報】デルモベート軟膏は本当に販売中止になるのか?結論からお伝えします
- 販売中止を決めた製造販売元はどこ?会社の公式発表を確認
- デルモベート軟膏 販売中止の時期はいつ?今後の流通スケジュールをチェック
- デルモベート軟膏の「強さ」と「有効成分」を再確認:どんな皮膚疾患に使われていた?
- 最強クラスI群ステロイドの販売中止がユーザーに与える影響と今後の注意点
- 処方薬がなくなる?医師に相談する前に知っておきたい「代替品」の種類
- デルモベート軟膏の有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」のジェネリックは存在する?
- 強力な効果を持つ代替薬へのスムーズな切り替え方法
- ドラッグストアや薬局でデルモベート軟膏を「購入」することは可能か?
- 【要チェック】デルモベート軟膏のストックがある場合に注意すべきこと
- 代替薬への切り替えで後悔しないために:皮膚科医への相談で見落とせないポイント
- まとめ:デルモベート軟膏 販売中止に冷静に対応するためのロードマップ
【速報】デルモベート軟膏は本当に販売中止になるのか?結論からお伝えします

さて、いきなり核心からまいりましょう。
「デルモベート軟膏が販売中止になる」という噂は、残念ながら本当(事実)です。
2025年に入り、医療関係者の間ではすでに情報が共有されていましたが、いよいよ私たち患者側にも具体的なスケジュールが伝わってきました。
長年、重い皮膚症状に悩む方々の「最後の砦」とも言えるような薬だっただけに、このニュースは本当に衝撃的ですよね。
「え、じゃあ私の治療はどうなっちゃうの?」
「あの薬がないと、また症状が悪化するんじゃ…」
そんな不安が頭をよぎるかと思います。
でも、安心してください!
この記事を最後まで読めば、なぜ販売中止になるのか、そして今後私たちがどうすれば良いのか、その具体的な対策まで、すべてスッキリと理解できます。
まずは「販売中止」という事実を、冷静に受け止めるところから始めましょう。
結論:はい、2025年12月頃に販売中止(在庫消尽次第)です
今回の販売中止は、すでに決定事項として公式にアナウンスされています。
具体的な時期としては、「2025年12月頃」を目途に、製造元からの出荷が終了し、いわゆる「在庫がなくなり次第、販売終了」となる予定です。
「12月頃」と少し曖昧な表現になっているのは、病院や薬局が抱えている在庫の状況によって、私たちが「処方してもらえなくなるタイミング」が微妙に異なる可能性があるからです。
もしかしたら、かかりつけの薬局では2025年の11月にはもう手に入らなくなるかもしれませんし、別の薬局では2026年の年明けまで在庫が残っている、なんてこともあり得ます。
ただ、間違いなく言えるのは、2026年になれば、日本のほとんどの医療機関でデルモベート軟膏(先発品)を新しく処方してもらうことは非常に困難になる、ということです。
私たち患者としては、「2025年の終わり頃には、今使っている薬が切り替わるんだな」という心づもりをしておく必要があります。
デルモベート軟膏だけじゃない?クリームとローションも対象です
「販売中止になるのは、あのベタッとした軟膏だけ?」
そう思われるかもしれませんが、今回の販売中止は「デルモベート」というブランド名がついた製品、そのすべてが対象となっています。
具体的には、以下の3種類です。
- デルモベート軟膏 0.05%
- デルモベートクリーム 0.05%
- デルモベートスカルプローション 0.05%
そうなんです。
軟膏(Ointment)だけでなく、比較的さっぱりした使い心地のクリーム(Cream)、そして頭皮(スカルプ)などに使いやすいローション(Scalp Lotion)タイプも、すべて販売中止となります。
「私は頭皮用にスカルプローションを使ってるから…」という方も、残念ながら他人事ではありません。
デルモベートという名前の処方薬が、市場から姿を消すことになるのです。
これは、単なる一つの製品の販売中止というよりは、「デルモベート」というブランドの歴史が幕を下ろす、と言っても過言ではない大きな出来事なんです。
「販売中止」と「出荷停止」はどう違う?私たちが知るべきこと
ここで、似たような言葉で「出荷停止」や「供給不足」というのがありますよね。
これらと「販売中止」はどう違うのでしょうか?
・供給不足(停止):
これは、薬を作る工場でのトラブルや、予想以上の需要増によって、一時的に薬が足りなくなっている状態です。「本当は売りたいけど、今は売るモノがない!」という感じですね。なので、製造が追いつけば、また普通に処方されるようになります。
・販売中止:
これは、「もう未来永劫、この製品を作るのも売るのもやめます!」という製造元の「宣言」です。
今回のデルモベート軟膏は、後者の「販売中止」です。
つまり、「いつかまた復活するかも…」という淡い期待は持てない、ということ。
だからこそ、私たちは「デルモベートがない未来」に備えて、しっかりと次の対策を考えなければならないのです。
とはいえ、いきなり明日から薬がなくなるわけではありません。
ちゃんと「猶予期間」が設けられていますし、なによりも「代わりになる薬」はきちんと存在します。
そのあたりを、次の章から詳しく見ていきましょう。
・デルモベート軟膏の有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」のジェネリックは存在する?
・強力な効果を持つ代替薬へのスムーズな切り替え方法
・ドラッグストアや薬局でデルモベート軟膏を「購入」することは可能か?
・【要チェック】デルモベート軟膏のストックがある場合に注意すべきこと
販売中止を決めた製造販売元はどこ?会社の公式発表を確認

これほどまでに強力で、多くの患者さんに長年使われてきた「デルモベート軟膏」。
いったい、どこの会社が作っていて、なぜ販売中止なんていう大きな決断をしたのでしょうか?
その背景を知ることは、私たちが置かれている状況を正しく理解するために、とても重要です。
「ただ薬がなくなる」と不安になるだけでなく、その裏側にある事情にも少し目を向けてみましょう。
製造元は「グラクソ・スミスクライン(GSK)」という大企業
デルモベート軟膏を製造し、日本で販売してきたのは、「グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)」という会社です。
名前を聞いてもピンとこない方もいるかもしれませんが、これはイギリスに本社を置く、世界でもトップクラスの超巨大な製薬企業(メガファーマ)の日本法人です。
風邪薬の「コンタック」や、歯磨き粉の「シュミテクト」なども、実はこのGSK(のグループ会社)が手がけていたりします。(※製品によって販売元が異なる場合があります)
つまり、デルモベート軟膏は、どこかの小さな会社が細々と作っていた薬ではなく、世界的な大企業が品質管理を徹底して製造・販売していた、信頼性の高い「先発医薬品(新薬)」だったわけです。
(※ちなみに、薬には最初に開発された「先発品」と、その特許が切れた後に同じ成分で作られる「後発品(ジェネリック)」があります。デルモベートは「先発品」にあたります。)
GSKのような大企業が、長年販売してきた看板製品の一つとも言えるデルモベートの販売をやめる…。
これは、製薬業界にとっても、なかなかのニュースなんです。
なぜ販売中止に?GSKの発表から読み解く「諸般の事情」とは
では、GSKはなぜ販売中止を決めたのでしょうか?
GSKが医療関係者向けに発表した公式の案内(2025年7月頃)では、その理由について「諸般の事情により」と記載されているのみで、具体的な理由は明らかにされていません。
「諸般の事情」だなんて、一番知りたいところなのに、はぐらかされた感じがしますよね!
もちろん、これは筆者(どこストア)の推測にすぎませんが、一般的に製薬会社がこうした「長期収載品(古くからある薬)」の販売を中止する場合、以下のような理由が考えられます。
- ジェネリック医薬品(後発品)の普及
- 採算性の問題(薬価の低下)
- 新しい薬(新薬)への経営資源の集中
- 製造ラインの老朽化や維持コストの問題
デルモベート軟膏は、有効成分である「クロベタゾールプロピオン酸エステル」の特許がとっくの昔に切れており、すでに多くの「ジェネリック医薬品」が市場に出回っています。
ジェネリックは、先発品とほぼ同じ効果で、価格がずっと安いのが特徴です。
国も医療費を抑えるためにジェネリックの使用を強力に推進していますよね。
その結果、デルモベート(先発品)の価格(薬価)も年々引き下げられ、GSKにとって「儲かる薬」ではなくなっていた可能性が非常に高いです。
さらに、この薬の製造には特殊な設備が必要で、その維持が大変…といった事情もあったのかもしれません。
私たち患者からすれば「効く薬を残してよ!」と叫びたいところですが、企業である以上、採算が取れなければ事業を整理するのは当然のこと…
今回の販売中止は、「デルモベート軟膏に何か問題が見つかったから(危険だから)」では、決してない、ということだけは強くお伝えしておきます。
デルモベート軟膏の品質や安全性は、最後まで問題ありませんでした。
あくまでも、GSKの経営戦略上の判断(と筆者は推測します)による「勇退」なのです。
デルモベート軟膏の歴史と果たしてきた役割
デルモベート軟膏が日本で承認されたのは、1980年代のこと。
(※正確な承認年月は専門情報となるためここでは割愛しますが、非常に長い歴史があります。)
当時、最強クラス(ストロンゲスト)のステロイド外用薬として登場し、それまで治療が難しかった重度の皮膚炎、例えば乾癬(かんせん)や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの患者さんにとって、「希望の光」ともいえる薬でした。
「他の薬を何を塗ってもダメだったのに、デルモベートを塗ったら劇的に良くなった」
そんな経験を持つ方も少なくないはずです。
約40年近くにわたり、日本の皮膚科治療の最前線で、重症患者を支え続けてきたレジェンド的な薬…それがデルモベート軟膏なのです。
その歴史的役割を終え、これからは「ジェネリック医薬品」にそのバトンを渡す時が来た、ということなのでしょう。
「今までありがとう、デルモベート!」
そんな感謝の気持ちを込めて、次の章では「じゃあ、いつまで手に入るの?」という具体的なスケジュールを見ていきます。
デルモベート軟膏 販売中止の時期はいつ?今後の流通スケジュールをチェック

さて、デルモベート軟膏が「勇退」することは分かりました。
では、具体的に、私たち患者はいつまでデルモベート軟膏を処方してもらえるのでしょうか?
この「Xデー」を知っておくことは、今後の治療計画を立てる上で非常に重要です。
「来週病院に行ったら、いきなり『もうありません』って言われた!」なんてことになったら、パニックになってしまいますよね。
そうならないために、公式に発表されているスケジュールをしっかり確認しておきましょう。
Xデーは「2025年12月頃」!在庫がなくなり次第終了
GSKが発表している「販売中止時期」は、2025年12月頃(在庫消尽次第)となっています。
これは、GSKから「医薬品卸(おろし)業者」(=薬局や病院に薬を配る問屋さん)への出荷を停止するのが、だいたい12月頃ですよ、という意味です。
私たち患者の視点で、流れを簡単に説明すると、こうなります。
- GSK(製造元)が薬を作る
- 医薬品卸がGSKから薬を仕入れて、在庫を持つ
- 病院や薬局が医薬品卸に注文して、薬を仕入れて在庫を持つ
- 私たち患者が病院で処方箋をもらい、薬局で薬を受け取る
GSKが「販売中止」するのは、上記フローの「1→2」の部分です。
つまり、2025年12月頃にGSKからの出荷が止まっても、「医薬品卸」や「薬局・病院」に在庫が残っている限りは、私たちはデルモベート軟膏を処方してもらうことが可能です。
ただ、販売中止が発表された今(2025年)、多くの病院や薬局では、もうデルモベート(先発品)を大量に仕入れることはせず、在庫がなくなったら速やかに「ジェネリック医薬品(後発品)」への切り替えを患者さんにお願いする、という流れになるのが普通です。
ですから、「2025年12月までは絶対に大丈夫」というわけではなく、「あなたの、かかりつけ薬局の在庫がなくなった時」が、実質的なXデーとなると考えておくのが一番正確です。
早ければ、2025年の秋頃には「そろそろ代替薬に切り替えませんか?」というお話が、医師や薬剤師からあるかもしれません。
経過措置終了期日(2026年3月末日予定)とは?保険適用はどうなる?
ここで、もう一つ大事な日付があります。
それが「経過措置終了期日(けいかそちしゅうりょうきじつ)」です。
デルモベート軟膏の場合、これは「2026年3月末日(予定)」とされています。
「なにそれ?難しい言葉…」と思いますよね。
ものすごく簡単に言うと、「2026年4月1日からは、たとえ薬局にデルモベート軟膏の在庫が残っていても、もう保険適用(例:3割負担)で処方できなくなりますよ」というタイムリミットのことです。
もし、奇跡的に2026年4月以降も在庫を持っている薬局があったとして、そこで処方してもらうと「全額自費(10割負担)」になってしまう、ということです(まあ、その前に処方箋が出ないと思いますが)。
私たち患者にとっては、この「経過措置終了期日」が、本当の本当に「デルモベート軟膏(先発品)との“お別れ”の日」となります。
逆に言えば、2026年3月末日までは、在庫さえあれば、これまで通り保険適用で処方してもらえるので、その点は安心してください。
今すぐ薬局に走るべき?慌てないための心構え
この話を聞いて、「大変だ!販売中止になる前に、ストックが欲しい!」「今のうちに病院に行って、ありったけ処方してもらおう!」と焦ってしまう方もいるかもしれません。
でも、その必要はまったくありません!
なぜなら、デルモベート軟膏は「最強クラス」のステロイドであり、医師の厳格な管理のもとで使うべき薬だからです。
・必要以上にストックしても、使用期限が切れたらタダのゴミです。
・症状が良くなっているのに使い続ければ、深刻な副作用のリスクが高まります。
・そして何より、代わりになる「ジェネリック医薬品」がちゃんと存在するからです。
慌てて買いだめ(処方してもらいだめ)する必要は一切ありません。
今、私たちがやるべきことは、慌てることではなく、「デルモベート軟膏」がどんな薬だったのかを再確認し、冷静に「次の薬」へ移行する準備をすることです。
次の章では、その「デルモベートの強さ」について、改めておさらいしてみましょう。
デルモベート軟膏の「強さ」と「有効成分」を再確認:どんな皮膚疾患に使われていた?

「デルモベート軟膏がなくなる!」と聞くと、私たちはつい「薬がなくなること」自体にばかり気を取られがちです。
しかし、本当に大切なのは、「デルモベート軟膏の“何”が、あなたの症状を抑えてくれていたのか」を、正しく理解することです。
それが分かっていれば、デルモベート軟膏という「名前」の薬がなくなったとしても、まったく不安になる必要はないからです。
「そんなの、お医者さんが分かってればいいんじゃ…」と思うかもしれませんが、自分の体に入れる薬のこと、少しだけ詳しくなってみませんか?
ステロイドの強さランク「I群:ストロンゲスト」とは?
まず、デルモベート軟膏は「ステロイド外用薬(塗り薬)」というグループに属します。
ステロイドの塗り薬は、皮膚の「炎症」や「かゆみ」を抑え込むパワー(抗炎症作用)の強さによって、5つのランクに分けられています。
医療関係者の間では、これはもう「九九」レベルの常識です。
| ランク | 呼び方 | 主な薬剤例(先発品名) |
|---|---|---|
| I群 (最強) | Strongest (ストロンゲスト) | デルモベート、ダイアコート |
| II群 (非常に強力) | Very Strong (ベリーストロング) | アンテベート、マイザー、フルメタ |
| III群 (強力) | Strong (ストロング) | リンデロンV、フルコート |
| IV群 (中程度) | Medium (ミディアム) | ロコイド、キンダベート、リドメックス |
| V群 (弱い) | Weak (ウィーク) | プレドニゾロン |
この表を見て、一目瞭然ですね。
デルモベート軟膏は、5段階あるランクの中で、まぎれもなく「最強(ストロンゲスト)」に位置付けられています。
これは、生半可な皮膚炎ではまず処方されないレベルの強さです。
例えば、顔や首など皮膚の薄い部分には、原則として使用禁止(禁忌)です。
(※医師が特別な判断をした場合を除きます)
また、比較的症状が軽いアトピー性皮膚炎などで、いきなりこの薬が出ることもありません。
「ベリーストロング」や「ストロング」クラスの薬を使っても、まったく歯が立たない…
そんな、非常に重症で、難治性(治りにくい)の皮膚疾患に対してのみ、医師の厳格な管理のもとで「短期決戦」に用いられる薬、それがデルモベート軟膏なのです。
有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」の恐るべき抗炎症作用
では、なぜデルモベート軟膏は、そんなに「最強」なのでしょうか?
その秘密は、薬に含まれている「有効成分」にあります。
デルモベート軟膏という「製品名(ブランド名)」の薬の、“中身”にあたる成分…
その名前は、「クロベタゾールプロピオン酸エステル (Clobetasol Propionate)」と言います。
(はい、舌を噛みそうな名前ですね!覚えなくて大丈夫です!)
この「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という成分こそが、デルモベートの「強さ」の正体です。
ステロイドの成分はたくさんありますが、その中でもこの「クロベタゾールプロピオン酸エステル」が、皮膚の炎症を抑える力(抗炎症作用)や、血管を収縮させる力(血管収縮作用)が、ズバ抜けて強力なのです。
つまり、私たちがデルモベート軟膏に求めていた効果とは、正確には「デルモベート」という名前ではなく、
「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という有効成分の効果だったわけです。
ここまでくれば、もうお分かりですよね?
そうです。
「デルモベート軟膏」という名前の薬がなくなっても、「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という有効成分が入った薬が他にあれば、何も問題ない、ということなんです!
(この「他の薬」については、後ほど詳しく解説しますので、お楽しみに!)
具体的にどんな病気に使われる?(乾癬、掌蹠膿疱症など)
デルモベート軟膏が「最強」クラスである以上、その適用(どんな病気に使うか)も、かなり限定的です。
添付文書(薬の説明書)によると、以下のような、他のステロイドでは効果が不十分な、重症の皮膚疾患に使われることになっています。
- 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬など)
- 乾癬(かんせん)
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- 慢性円板状エリテマトーデス
- 肥厚性瘢痕・ケロイド
- 悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)
- 円形脱毛症(悪性を含む)
…などなど、難しい病名が並んでいますね。
簡単に言えば、「ちょっとした手荒れ」や「ニキビ」、「あせも」などに使う薬では断じてない、ということです。
もし、あなたがデルモベート軟膏を処方されているのであれば、それは「あなたの皮膚症状が、それだけ手ごわいと医師が判断した」ということの裏返しでもあります。
だからこそ、次の章で解説する「自己判断での中止」がいかに危険か、という話につながっていくのです。
最強クラスI群ステロイドの販売中止がユーザーに与える影響と今後の注意点

デルモベート軟膏(先発品)が市場からなくなる。
この事実は、私たち「最強」ランクのステロイドを必要とする患者にとって、具体的にどのような影響があるのでしょうか?
「どうせジェネリックがあるんでしょ?じゃあ、何も変わらないじゃん」
本当にそうでしょうか?
薬の切り替えには、私たちが思っている以上に、いくつかの「注意点」が潜んでいます。
特に、デルモベートのような強力な薬を使っている場合、その「落とし穴」は深くなる可能性があります。
「いつもの薬がもらえない」パニックが起きる?
まず、考えられる最大の影響は、「心理的な不安」です。
「長年、あの緑と白のチューブ(デルモベート軟膏のチューブデザイン)に助けられてきたのに…」
「名前も形も違う薬を渡されても、本当に同じように効くのか不安…」
こういう不安感は、決して馬鹿にできません。
特に皮膚疾患は、ストレスや不安が症状に直結しやすい病気です。
「薬が変わった」というストレスだけで、一時的に症状が悪化したように感じてしまう(ノセボ効果)可能性もゼロではありません。
また、薬局の現場では、患者さん一人ひとりに「デルモベートは販売中止になりまして、今回からこちらのジェネリック医薬品という、同じ成分のお薬に変わります」と説明する手間が発生します。
事情を知らない患者さんからすれば、「なんで勝手に薬を変えるんだ!」と不信感を持ってしまうかもしれません。
こうした、小規模な混乱や不安が、全国の病院や薬局で一時的に発生すること。
それが、今回の販売中止がユーザー(患者)に与える、最も大きな影響の一つと言えるでしょう。
注意!自己判断での使用中止は絶対にダメ(リバウンドのリスク)
そして、ここが今回一番重要な注意点です。
「デルモベートが販売中止になるなら、もうステロイドはやめよう」
「どうせ薬が変わるなら、このタイミングで(医師に無断で)塗るのをやめてみよう」
これだけは、絶対に、絶対にやめてください!
デルモベートのような「最強」クラスのステロイドは、皮膚の炎症を、いわば「力ずく」で抑え込んでいます。
その力を、医師の指示(例えば「徐々に塗る回数を減らしましょう」といった指導)なしに、いきなりゼロにしてしまうと、どうなるでしょうか?
答えは、「炎症が、以前よりもっとひどい勢いで再燃する」可能性が非常に高いです。
これを、通称「リバウンド(離脱症状)」と呼びます。
ステロイド治療で最も怖いのが、このリバウンドです。
「最強」クラスの薬であればあるほど、その反動は大きく、治療が振り出しに戻るどころか、マイナスからのスタートになってしまう危険性すらあります。
販売中止のニュースを聞いたとしても、あなたの治療方針は何も変わりません。
医師の指示通りに、処方された薬(それがデルモベートであれ、代替薬であれ)を、決められた回数・量で使い続けること。
これが、あなたの皮膚を守るために、最も大切なことです。
今後、皮膚科での処方内容は変わるのか?
「じゃあ、皮膚科の先生は、デルモベートの代わりに何を選ぶの?」
これはもう、答えはほぼ決まっています。
「デルモベート(先発品)」の代わりに、同じ有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」を含む「ジェネリック医薬品(後発品)」が処方される。
これが、99%のケースでの答えとなるでしょう。
(※もちろん、医師が「この機会に、少しランクの違う薬を試してみよう」と判断する可能性もゼロではありませんが、基本的には同じ成分で置き換えるのが普通です。)
多くの皮膚科医にとって、「デルモベート(先発品)がなくなること」は、大した問題ではありません。
なぜなら、彼らが信頼しているのは「デルモベート」という名前ではなく、「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という成分の“効果”であり、その成分を含むジェネリック医薬品は、今後も安定的に供給されるからです。
私たち患者も、この「名前」ではなく「中身(成分)」で薬を見る視点を持つことが、不安を解消するカギとなりそうですね。
では、その「代替品」について、もっと詳しく見ていきましょう。
・デルモベート軟膏の有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」のジェネリックは存在する?
・強力な効果を持つ代替薬へのスムーズな切り替え方法
・ドラッグストアや薬局でデルモベート軟膏を「購入」することは可能か?
・【要チェック】デルモベート軟膏のストックがある場合に注意すべきこと
処方薬がなくなる?医師に相談する前に知っておきたい「代替品」の種類

「デルモベート(先発品)がなくなるのは分かった。じゃあ、代わりは何になるの?」
ここが、私たち患者にとって一番知りたいところですよね。
「代わりがなかったら、どうしよう…」
そんな心配は、一切ご無用です。
前章でも少し触れましたが、デルモベートの「代わり」になる薬は、きちんと、しかも「たくさん」存在します。
医師に相談する前に、私たちが知っておくべき「代替品」の知識を整理しましょう。
心配無用!代替品はしっかり存在します
まず、大前提として、デルモベート軟膏の販売中止によって、「最強(ストロンゲスト)ランクのステロイド治療が受けられなくなる」なんてことは、絶対にありません。
皮膚科の先生も、薬剤師さんも、まったく困っていません。
「ああ、GSKさん、やめるんだ。じゃあ、次からはA社のジェネリックに切り替えておいてね」
と、事務的に処理が進むだけです。
私たち患者も、それくらいの「軽い」気持ちでドーンと構えていて大丈夫です。
では、その「代替品」には、どんな選択肢があるのでしょうか?
大きく分けて、2つのパターンが考えられます。
- 同じ有効成分の「ジェネリック医薬品」に切り替える(最有力!)
- 別の有効成分の「同じ強さ(ストロンゲスト)」の薬に切り替える
十中八九、パターン1(ジェネリックへの切り替え)になるはずです。
パターン2は、例えば「ジェネリックに変えたら、どうも使用感が合わない」といった特別な場合に、医師が検討するかもしれない選択肢、という程度です。
まずは、この「ジェネリック医薬品」というものについて、正しく理解することが先決ですね。
先発品(デルモベート)と後発品(ジェネリック)の違いとは?
「ジェネリックって、安かろう悪かろうの“ニセモノ”じゃないの?」
いまだに、そう思っている方はいらっしゃいませんか?
それは、大きな誤解です!
- 先発医薬品(例:デルモベート)
製薬会社が莫大な費用と時間をかけて開発した、オリジナルの薬。開発費用を回収するため、価格(薬価)は高めに設定されています。 - 後発医薬品(例:ジェネリック)
先発品の特許が切れた後、他の会社が「同じ有効成分」で製造・販売する薬。開発費用がかからないため、価格(薬価)は国が定めたルールによって、先発品よりも必ず安くなります。
ジェネリック医薬品は、「先発品と“同等”である」と国(厚生労働省)が厳しく審査し、認めた薬だけが、世に出ることを許されます。
「同等」とは、主に以下の点でチェックされます。
・有効成分が同じか?(クロベタゾールプロピオン酸エステル)
・有効成分の量が同じか?(0.05%)
・薬の効き方(体への吸収のされ方など)が同じレベルか?
これらをクリアしているわけですから、ジェネリックは、先発品(デルモベート)と「ほぼ同じ効果、ほぼ同じ安全性」を持つ薬だと、国が保証してくれているのです。
もちろん、「ほぼ同じ」であって、「100%同一」ではありません。
何が違うかというと、「添加物(てんかぶつ)」です。
添加物とは、薬の有効成分以外のもので、例えば軟膏の「基剤(きざい)」(あのベトベトした油の部分)や、薬を安定させるための保存料などのことです。
この「添加物」の違いによって、
「デルモベート(先発品)より、こっちのジェネリックの方がベタつく」
「逆に、こっちのジェネリックの方が、サラッとしてて塗りやすい」
といった、「使用感(テクスチャー)」の違いが生まれることがあります。
しかし、肝心の「有効成分」は同じですから、効き目には原則、差はないとされています。
デルモベート以外の「ストロンゲスト」ランクのステロイド薬
先ほど、「パターン2」として、「別の有効成分のストロンゲスト薬」に切り替える可能性も、ゼロではないとお話ししました。
実は、日本で承認されている「最強(ストロンゲスト)」ランクのステロイドの有効成分は、「クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベートの成分)」以外にも、もう一つだけ存在します。
それが、「ジフロラゾン酢酸エステル」という成分です。
この成分を含む先発品としては、「ダイアコート軟膏(またはクリーム)」という薬が有名です。
もし、万が一、「クロベタゾールプロピオン酸エステル」のジェネリックが(添加物などの影響で)どうしても体に合わない…となった場合の、最終手段として、こちらの「ダイアコート」系統の薬(またはそのジェネリック)に切り替える、という選択肢も、医師の引き出しの中にはあるわけです。
ただ、これは本当にレアケースだと考えてよいでしょう。
まずは、次の章で、最有力候補である「デルモベートのジェネリック」について、もっと具体的に見ていきます。
・強力な効果を持つ代替薬へのスムーズな切り替え方法
・ドラッグストアや薬局でデルモベート軟膏を「購入」することは可能か?
・【要チェック】デルモベート軟膏のストックがある場合に注意すべきこと
・代替薬への切り替えで後悔しないために:皮膚科医への相談で見落とせないポイント
デルモベート軟膏の有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」のジェネリックは存在する?

ここまで来れば、もう皆さん、デルモベート軟膏の販売中止を何も恐れる必要がないことがお分かりいただけたかと思います。
「デルモベート」という名前(ブランド)がなくなるだけで、その中身である「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という成分は、ジェネリック医薬品として、これからも私たちのもとに安定的に届くのですから。
では、その「ジェネリック」、具体的にはどんな薬があるのでしょうか?
答え:YES!ジェネリック医薬品は多数あります
はい、答えは大きな「イエス」です。
「クロベタゾールプロピオン酸エステル」を有効成分とするジェネリック医薬品(軟膏・クリーム・ローション)は、日本の多くの製薬会社(後発品メーカー)から、すでに何十種類も発売されています。
皆さんが普段利用されている調剤薬局の棚にも、デルモベート(先発品)の隣に、これらのジェネリック品が(おそらくデルモベートよりもたくさん)在庫として置かれているはずです。
それくらい、デルモベートのジェネリックは、日本の医療現場に深く浸透しているのです。
GSKがデルモベートの販売中止を決断できたのも、「もう、自分たち(先発品メーカー)がいなくても、ジェネリックメーカーがこの成分を患者さんに届けてくれるから大丈夫だ」という、市場の成熟があったからこそ、とも言えますね。
ジェネリックの具体名(グリジール軟膏、クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏「〇〇」)
ジェネリック医薬品の名前の付け方には、実はルールがあります。
- 有効成分の名前 +「剤形」+「会社名」
- 独自のブランド名(先発品と紛らわしくないもの)
デルモベートのジェネリックの場合、パターン1が圧倒的に多いです。
例えば、こんな名前で処方されます。
・クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「タカタ」
・クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「イワキ」
・クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「サワイ」
・クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「トーワ」
…などなど。「〇〇」の部分には、それを作った製薬会社の名前(屋号)が入ります。
名前が長い!覚えられませんね(笑)
中には、パターン2のように、独自のブランド名をつけているジェネリックもあります。
デルモベートのジェネリックで有名なのは、例えば「グリジール軟膏(またはクリーム)」(佐藤製薬)などがあります。
今後、デルモベートの代わりに処方されるのは、これらの「クロベタゾールプロピオン酸エステルなんちゃら軟膏」や「グリジール軟膏」になる可能性が非常に高い、ということです。
ジェネリックって効き目が同じなの?安かろう悪かろうじゃない?
「有効成分が同じなのは分かった。でも、やっぱり不安…」
その気持ち、すごくよく分かります。
特に、デルモベートのような「最強」の薬を使っている方なら、わずかな効き目の違いが、症状の悪化に直結するのではないか、と心配になりますよね。
前述のとおり、ジェネリックは国が「同等」と認めたものですから、効き目に差は“ない”というのが公式見解です。
しかし、一部の(本当にごく一部の)患者さんや、医師・薬剤師の中には、「ジェネリックに変えたら、効き目が弱くなった気がする」とか「やっぱり先発品じゃないとダメだ」と感じる方がいらっしゃるのも事実です。
これが、本当に「薬のせい」なのか、それとも「薬が変わった」という不安からくる「気のせい(ノセボ効果)」なのかは、科学的に証明するのが非常に難しいところです。
ただ、私たち患者にできることは、「まずは、ジェネリックを試してみる。そして、もし何か違和感があったら、すぐに医師や薬剤師に正直に伝える」こと、これに尽きます。
「ジェネリックだから効かないんだ!」と最初から決めつけるのは、一番もったいないことです。
(薬代が安くなる、という大きなメリットもあるのですから!)
軟膏とクリームで使用感が違う?ジェネリックの選び方
ジェネリックに切り替える際、私たちが唯一「選べる」可能性があるとしたら、それは「使用感」かもしれません。
先ほど、ジェネリックは「添加物」が違うため、使用感が異なる場合がある、とお話ししました。
例えば、あなたがデルモベート軟膏の「ベタッと皮膚に張り付いて、しっかり保護してくれる感じ」を気に入っていたとします。
新しく処方されたジェネリックが、もし「デルモベートよりサラッとした使用感」だったとしたら…
「なんか、すぐに取れちゃいそうで不安…」
「効き目が弱い気がする…」
と感じてしまうかもしれません。(たとえ有効成分が同じでも、です!)
逆に、デルモベート軟膏のベタつきが嫌いだった人にとっては、そのサラッとしたジェネリックは「当たり」かもしれませんよね。
ジェネリックメーカー各社は、この「使用感」にもこだわって開発をしています。
「先発品と“ほぼ”同じ使用感」を目指す会社もあれば、「あえて、先発品よりサラッと(あるいは、しっとり)させて、差別化」を図る会社もあります。
どのジェネリックメーカーの薬を仕入れるか(在庫するか)は、薬局の薬剤師さんの裁量によるところが大きいです。
もし、切り替わったジェネリックの使用感がどうにも気に入らない場合は、薬剤師さんに「デルモベートの使用感に、もっと近いジェネリックはありませんか?」と相談してみるのも一つの手です。
(※ただし、薬局に在庫がなければ、取り寄せるのに時間がかかったり、対応してもらえなかったりする場合もあります。)
強力な効果を持つ代替薬へのスムーズな切り替え方法

「ジェネリックのことは、だいたい分かった」
「でも、いざ病院に行って、何て言えばいいんだろう…」
そうですよね。分かっていても、いざ皮膚科の先生を前にすると、緊張して言いたいことが言えなかったりします。
デルモベート軟膏という「最強」の薬から、別の薬(ジェネリック)へ。
この「乗り換え」を、できるだけストレスなく、スムーズに終えるための「具体的な手順(ステップ)」を、筆者(どこストア)なりにまとめてみました。
ステップ1:まずはかかりつけ医に「販売中止の件」を切り出す
次回の診察日。いつも通り診察室に入ったら、症状の話をする前に、あなたの方からこう切り出してみてください。
「先生、いつも使ってるデルモベート軟膏が販売中止になるって聞いたんですけど、本当ですか?」
これが、最強の「ジャブ」になります。
おそらく、先生は「ああ、知ってるよ。情報が早いね(笑)」と、リラックスした感じで答えてくれるはずです。
(もし、ここで「えっ、そうなの?」なんて言う先生がいたら、ちょっと不安になりますが…まあ、皮膚科の先生で知らない人はいないでしょう。)
この一言で、「私は、自分の薬のことをちゃんと考えていますよ」というアピールができますし、先生も「ああ、この患者さんには、ちゃんと代替薬の説明をしないといけないな」と、モードを切り替えてくれます。
いきなり「ジェネリックにしろ」とか「薬を変えろ」と言うのではなく、まずは「情報共有」のスタンスで切り出すのが、スマートな大人の対応ですね。
ステップ2:医師が提案する代替薬(ジェネリック等)の特徴を聞く
あなたがジャブを打てば、先生は必ず「今後の処方」について、プロとしての提案をしてくれます。
「そうなんだよ。だから、今日から(あるいは、うちの在庫がなくなったら)、同じ成分のジェネリックっていう薬に変えていくね」
「〇〇製薬の、クロベタゾールなんちゃらっていう薬だけど、効き目は同じだから安心して」
といった感じです。
ここで、あなたがすべきことは、「はい、分かりました」と即答する前に、一つだけ「質問」をすることです。
「先生、その新しくなる薬(ジェネリック)って、今までのデルモベートと比べて、使い心地(ベタつき感とか)は、どんな感じですか?」
この質問は、非常に効果的です。
なぜなら、前章でお話しした「ジェネリックの使用感の違い」を、医師が(あるいは、その先の薬剤師が)気にかけるキッカケになるからです。
医師が「うーん、どうかな?まあ、だいたい同じだと思うけど…」と答えたとしても、この質問をしたという事実がカルテに残れば、もし次にあなたが「やっぱり使用感が合わない」と言った時に、話がスムーズに進みます。
もちろん、「(あなたがベタつきを嫌ってると知ってるから)今度の薬は、デルモベートよりサラッとしてるやつを選んでおくよ」と、神対応をしてくれる先生もいるかもしれません。
ステップ3:切り替え後の「使い心地」や「効き目」の変化を医師にフィードバックする
そして、最も大切なのが、新しい薬(ジェネリック)を実際に使ってみた後の「次回の診察」です。
ここで、あなたは「正直な感想」を医師にフィードバックする義務があります。
・パターンA:「新しい薬、使ってみました。デルモベートと同じ感じで、症状もしっかり抑えられてます。問題ありません!」
(→これが一番ハッピーですね。治療継続、薬代も安くなって万々歳です)
・パターンB:「効き目は同じ感じがするんですけど、どうも軟膏が硬くて塗りにくい(あるいは、ベタつきが強すぎて不快)です…」
(→医師は「なるほど。じゃあ、今度は別のメーカーのジェネリックを試してみようか」と、次の手を考えてくれます)
・パターンC:「先生、すみません…気のせいかもしれないんですけど、これを塗ってから、ちょっとかゆみが出てきた(あるいは、赤みが引かなくなった)気がします…」
(→これは、超レアケースですが、ジェネリックの「添加物」にアレルギー反応(かぶれ)を起こしている可能性もゼロではありません。医師は、すぐにそのジェネリックを中止し、別のジェネリックか、あるいは「ダイアコート」など別の成分の薬への変更を真剣に検討するはずです)
どうでしょうか?
このように、「①情報を切り出し、②特徴を質問し、③使った感想をフィードバックする」という3つのステップを踏めば、医師と「二人三脚」で、あなたに最適な代替薬をスムーズに見つけ出すことができるはずです。
販売中止は、あなたの治療を見直す「良い機会」と捉えることもできるかもしれませんね。
ドラッグストアや薬局でデルモベート軟膏を「購入」することは可能か?

さて、デルモベート軟膏が「販売中止」と聞いて、医療機関(病院・クリニック)での「処方」が難しくなることは分かりました。
ここで、多くの方が抱くであろう、次なる疑問。
「じゃあ、処方箋なしで、ドラッグストア(薬局)で直接『購入』することはできないの?」
「最強」クラスの薬が、もしマツモトキヨシやスギ薬局、ウェルシアなどで簡単に買えたら…便利ですが、それはとんでもないことでもあります。
この章では、デルモベート軟膏と「市販薬」の関係について、ハッキリと白黒つけておきましょう。
結論:絶対に不可能です!デルモベートは「医療用医薬品」
はい、見出しの通り、結論から申し上げます。
デルモベート軟膏(および、そのジェネリック医薬品)を、処方箋なしでドラッグストアや薬局で「購入」することは、100%絶対に不可能です。
なぜなら、デルモベート軟膏は、「医療用医薬品」に分類される薬だからです。
「医療用医薬品」とは、「医師の診断と指示(処方箋)に基づいて、薬剤師が調剤することによってのみ、患者さんに渡すことができる薬」と、法律で厳格に定められています。
私たちが普段、ドラッグストアで「風邪薬ください」とか「胃薬ください」と言って買っている薬は、「一般用医薬品(OTC医薬品)」と呼ばれる、別のカテゴリーの薬なのです。
デルモベート軟膏は、その「最強」すぎる効果と、それに伴う「副作用のリスク」の高さから、医師による専門的な診断・管理が絶対に必要と判断されている薬なのです。
「販売中止になるなら、Amazonや楽天で売ってくれないかな…」
なんて期待も、無駄です。
国内の正規ルートでは、医療用医薬品が処方箋なしにネット販売されることは、絶対にありません。
なぜ市販で買えない?「最強」ランクゆえの副作用リスク
「なんでそんなに厳しいの?ちょっとくらい、いいじゃない」
いえ、ダメなんです。
もし、デルモベート軟膏が市販で買えてしまったら、どんな恐ろしいことが起きるか、想像してみてください。
- ニキビ(尋常性ざ瘡)にデルモベートを塗ってしまい、顔中が真っ赤に腫れ上がる。
- 水虫(白癬)にデルモベートを塗ってしまい、菌が大喜びで増殖し、足がグジュグジュになる。
- ヘルペス(ウイルス感染)にデルモベートを塗ってしまい、症状が劇的に悪化する。
- ちょっとした湿疹に毎日塗り続け、皮膚が紙のようにペラペラに薄くなる(皮膚萎縮)。
- 顔に塗り続けて、毛細血管が浮き出て「赤ら顔」になる(毛細血管拡張)。
これらは、デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル)の「重大な副作用」または「禁忌(やってはいけないこと)」として、添付文書にハッキリと書かれていることです。
ステロイドは、炎症を抑える力はピカイチですが、「細菌・真菌(カビ)・ウイルス」に対する抵抗力(免疫)も、同時に抑え込んでしまいます。
医師は、あなたの皮膚のブツブツが「ただの湿疹」なのか、「水虫」や「ヘルペス」が原因なのかを、ちゃんと見極めた上で(これを「鑑別診断」と言います)、「よし、これはステロイドで叩ける湿疹だ」と判断して、初めてデルモベートを処方するのです。
この「医師の目」をすっ飛ばして、素人が「最強」の武器を手にしてしまったら…
症状を治すどころか、取り返しのつかない副作用を招くのは、火を見るより明らかですよね。
だから、デルモベートは市販で買えないし、今後も(たとえジェネリックであっても)買えるようにはならないのです。
ネット通販や個人輸入は危険?メルカリで見かけても買ってはいけない理由
「国内がダメなら、海外から個人輸入すればいいのでは?」
「メルカリやヤフオクで、こっそり出品されてないかな?」
そう考える方も、いるかもしれません。
特に、ネットリテラシーが高い(と自負している)方ほど、この「抜け道」を探しがちです。
これも、絶対にやめてください。
理由は、大きく2つあります。
1. 偽造品(ニセモノ)のリスク
海外からの個人輸入代行サイトや、フリマアプリで売られている「デルモベート」と称するものが、本物である保証はどこにもありません。
「最強」どころか、ただのワセリン(保湿剤)かもしれませんし、もっと悪質な場合は、得体の知れない有害物質が混ぜ込まれているかもしれません。
チューブのデザインを似せることなど、造作もないことです。
2. 健康被害の全額自己責任
もし、あなたが個人輸入やフリマアプリで手に入れた薬を使って、前述のような深刻な副作用(例:顔が腫れ上がる)が起きたとします。
病院に駆け込んでも、治療費は当然かかります。
そして、その健康被害について、あなたは誰にも文句を言うことができません。
(※国の「医薬品副作用被害救済制度」という、素晴らしい制度があるのですが、それは正規ルートの薬を使った場合のみ。個人輸入や不正入手は対象外です)
リスクがあまりにも、あまりにも大きすぎます。
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングで「デルモベート」と検索しても、出てくるのは(もし出てきたとしても)正規の医薬品ではありません。
(※肌トラブル用の保湿クリームや、関連商品がヒットするかもしれませんが、それらは医薬品ではありません。)
「最強」の薬は、最強の「管理」のもとで。
この大原則は、絶対に忘れないでください。
市販で買えるステロイドで一番強いのは?(フルコートfなどII群指定第2類医薬品)
「デルモベート(I群)がダメなのは分かった」
「じゃあ、市販で買えるステロイドで、一番強いのはどれ?」
この疑問には、お答えしておきましょう。
現在(2025年)、日本のドラッグストアで処方箋なしで買えるステロイド(OTC医薬品)のうち、最も強いランクは「II群(ベリーストロング)」…ではなく、「III群(ストロング)」です。
…と言いたいところですが、実は「II群」の成分を含む市販薬も存在します。
ただし、これらは「指定第2類医薬品」という、薬剤師からの説明が(努力義務として)必要な、厳重な管理下で販売されています。
- II群(ベリーストロング)相当の成分を含む市販薬
例:フルコートf(成分:フルオシノロンアセトニド)など。
(※ただし、医療用のII群の薬と「まったく同じ」というわけではなく、市販用に調整されている場合があります。) - III群(ストロング)相当の成分を含む市販薬
例:ベトネベートN軟膏A(成分:ベタメタゾン吉草酸エステル)など。
「おお、じゃあII群やIII群が買えるなら、デルモベート(I群)がなくなっても、これで代用できるんじゃ…?」
そうはなりません!
思い出してください。デルモベート(I群)を処方されていたあなたは、「II群やIII群の薬では、歯が立たなかった」からこそ、I群を使っていたのではありませんか?
自己判断でランクを落とせば、症状が悪化するのは目に見えています。
逆に、今までIII群(例:リンデロンV)でコントロールできていた人が、「販売中止で手に入りにくくなるかも」と勘違いして、市販のII群(例:フルコートf)に手を出すのも、危険な行為です。
結論。
デルモベート(I群)を使っていた人が、市販薬で「代用」できるものはありません。
市販薬は、あくまでも「比較的軽度な症状を、短期間(5~6日)だけ抑える」ためのものです。
デルモベート(I群)の代替は、デルモベートのジェネリック(I群)しかないのです。
・代替薬への切り替えで後悔しないために:皮膚科医への相談で見落とせないポイント
・まとめ:デルモベート軟膏 販売中止に冷静に対応するためのロードマップ
【要チェック】デルモベート軟膏のストックがある場合に注意すべきこと

「販売中止になる前に、多めにもらっておいた」
「そういえば、前に処方されたデルモベートが、まだ引き出しに残ってる」
販売中止のニュースを聞いて、ご自身の「手持ち在庫(ストック)」を思い出した方もいらっしゃるかもしれません。
薬が手に入りにくくなる(という誤解)と、今あるストックが、なんだかとても「貴重品」のように思えてきますよね。
しかし、その「貴重品」、使い方を間違えると「危険物」に早変わりしてしまうかもしれません。
この章では、デルモベート軟膏のストックを、安全に取り扱うための「重要な注意点」を3つ、お伝えします。
販売中止と聞いても「買い溜め」はNG!
まず、大前提として、これまでの章で何度も申し上げてきたことです。
販売中止になるのは「デルモベート(先発品)」という名前の薬だけ。
同じ成分・同じ効果の「ジェネリック医薬品」は、今後も安定的に処方されます。
したがって、販売中止を理由に、デルモベート軟膏を「買い溜め(処方してもらいだめ)」する必要は、一切ありません!
「でも、やっぱりジェネリックは不安だから、先発品を今のうちに!」
その気持ちは分かりますが、医師は「症状」を見て、必要な「量」を処方しています。
「販売中止になるから、3ヶ月分ください」なんて言っても、症状が安定しているのに、保険診療で大量のデルモベートを処方してくれる医師は(まともな医師なら)いないでしょう。
(※もし、それで大量処方するような医師がいたら、それはそれで別の問題があります…)
買い溜めは、医療資源の無駄遣いになるだけでなく、本当にその薬を必要としている他の患者さんのもとに薬が届かなくなる「買い占め」と同じ行為です。
冷静な行動をお願いします。
あなたのストックは大丈夫?軟膏の使用期限(チューブに記載)の確認方法
さて、今、あなたの手元にあるデルモベート軟膏のストック。
それ、本当に「まだ使えますか?」
医薬品には、食品と同じように「使用期限」があります。
デルモベート軟膏(チューブタイプ)の場合、どこを見ればいいか。
- チューブの、お尻(平たくなっている、ギザギザの部分)を見てください。
- そこに、アルファベットや数字が「刻印(型押し)」されています。
- その中に、「使用期限:202X.YY」といった形で、年月が刻印されているはずです。(※メーカーや製造時期によって記載方法が異なる場合があります)
この「使用期限」は、「未開封」の状態で、適切に(例:直射日光を避け、涼しい場所で)保管した場合に、品質が保証される期限のことです。
もし、あなたのストックが、この使用期限を過ぎていたら…
もったいないと思っても、絶対に(絶対に)使わずに、廃棄してください。
(※ちなみに、一度「開封」してしまった軟膏は、たとえ使用期限内であっても、保管状態(例:フタを開けっ放しにした、指で直接すくった)によっては品質が劣化している可能性があります。一般的に、開封後の軟膏は、半年~1年以内を目安に使い切るのが望ましいとされています。)
古い薬は効果が落ちる?危険な「分離・変色」の見分け方
使用期限が切れた薬は、どうなるのでしょうか?
「有効成分(クロベタゾールプロピオン酸エステル)が、化学的に分解されて、効果が弱まっている」
可能性が非常に高いです。
「最強」だったはずのデルモベートが、「ストロング」や「ミディアム」クラスにまで弱まっていたら…?
いつもの感覚で塗っても、症状が抑えきれず、「あれ、効かないぞ?もっと塗らなきゃ!」と、使用量や回数が(無意識のうちに)増えてしまうかもしれません。
さらに怖いのは、「有効成分以外のもの(添加物=基剤)」が、変質・劣化することです。
- 分離:軟膏から、透明な油のような液体が染み出している。
- 変色:本来、白~半透明のはずが、黄色っぽく(あるいは茶色っぽく)なっている。
- 異臭:フタを開けたとき、酸っぱいような、油が古くなったような、変なニオイがする。
こんな状態の軟膏を皮膚に塗ったら、どうなるか…
「最強」の効果が得られないどころか、劣化した添加物が刺激になって、皮膚炎を「悪化」させる(かぶれを起こす)という、最悪の事態も考えられます。
販売中止だから、と古いストックを引っ張り出してくるのは、本当に危険な「賭け」です。
そんな危険な賭けをするくらいなら、今すぐ皮膚科に行って、新しくて安全な「ジェネリック医薬品」を処方してもらった方が、1億倍マシだとは思いませんか?
家族や他人に「最強ステロイド」を貸すことの危険性
最後の注意点です。
あなたがデルモベート軟膏のストックを持っているとして。
あなたの家族(例えば、お子さんや配偶者)が、「なんだか、虫に刺されて、すごく腫れちゃって…」とか「手荒れがひどくて…」と言ってきたとします。
その時、あなたは「ああ、それなら、この薬(デルモベート)がすごく効くよ!」と、親切心で、あなたのデルモベートを貸して(あげて)はいませんか?
それ、犯罪(※)レベルで、危険な行為です。
(※医師法や薬機法に抵触する可能性がゼロではありません)
なぜ危険なのか?
もう、お分かりですよね。
- その家族の症状が、デルモベートを塗ってはいけない「感染症(水虫や、とびひ)」だったら?
- その家族が、お子さんや、あるいは顔(目の周り)に塗ろうとしていたら?
- その家族が、あなたのデルモベートの「最強さ」を知らずに、保湿クリーム感覚でベッタリと広範囲に塗ってしまったら?
デルモベート軟膏は、「処方された、あなただけ」が、「医師に指示された、部位だけ」に、「医師に指示された、期間・回数だけ」使うことを許された、劇薬に近い薬です。
「最強」の薬は、家族間であっても、絶対にシェア(共有)してはいけません。
あなたのストックは、あなた自身が、責任を持って「使い切る」か、あるいは「安全に廃棄する」か、そのどちらかしかないのです。
・まとめ:デルモベート軟膏 販売中止に冷静に対応するためのロードマップ
代替薬への切り替えで後悔しないために:皮膚科医への相談で見落とせないポイント

さあ、この記事もいよいよ終盤です。
デルモベート軟膏の販売中止は、もはや私たちにとって「不安のタネ」ではなくなりました。
「ジェネリック」という、ほぼ同じ効果で、薬代が安くなる「代替薬」が、ちゃんと用意されていることが分かったからです。
しかし、その「ジェネリックへの切り替え」という、一見すると簡単な作業の中にも、「知っている人だけが得をする」ポイントが、いくつか隠されています。
「切り替えたけど、なんかイマイチ…」
「こんなはずじゃなかった…」
そんな「後悔」をしないために、最後の仕上げとして、皮膚科医や薬剤師への「相談」の質をグッと高める、3つの「見落とせないポイント」をお伝えします。
ポイント1:「ジェネリック希望」と伝えるメリット・デメリット
「ジェネリックに変えましょう」と医師から言われる前に、こちらから「ジェネリックを希望します」と伝えるのは、どうでしょうか?
【メリット】
- 薬代が安くなる:これが最大のメリットです。デルモベート(先発品)とジェネリックでは、薬価(薬の値段)が、場合によっては2倍近く違うこともあります。最強ステロイドを長期間、広範囲に使う方にとっては、この差は無視できません。「ちりも積もれば…」です。
- 「分かってる患者」だと思われる:(これはオマケですが)医療費削減に協力的な、賢い患者さんだ、と医師や薬剤師に思ってもらえるかもしれません。
【デメリット】
- 使用感が選べない(かもしれない):あなたが希望を伝える前に、医師や薬局は「ウチで一番多く出てる(在庫してる)ジェネリック」を自動的に選ぶことになります。それが、あなたの好みの使用感(テクスチャー)と合うかどうかは、完全に「運」です。
- 「先発品(デルモベート)が良い」とは言いにくくなる:一度ジェネリックに切り替えてしまうと、もし後で「やっぱりデルモベート(先発品)が良かった…」と思っても、(在庫があるうちはまだしも)「わがままな患者」だと思われそうで、なんとなく言い出しにくい空気になるかもしれません。
デルモベートの販売中止が迫っている今(2025年)、もはや「先発品が良い」と言い続けるメリットは、ほぼありません。
素直にジェネリックへの切り替えを受け入れ、薬代の節約という「実利」を取るのが、最も賢明な選択だと、筆者(どこストア)は思います。
ポイント2:「軟膏」から「クリーム」への変更は慎重に(使用感の違い)
デルモベートには「軟膏」と「クリーム」がありました。
ジェネリックにも、もちろん「軟膏」と「クリーム」の両方が存在します。
「販売中止を機に、ベタつく軟膏はやめて、サラッとしたクリームに変えてみようかな?」
そう考える方もいるかもしれません。
しかし、この「剤形(ざいけい)」の変更は、あなたが思っている以上に、慎重になるべきです。
・軟膏(Ointment):
基剤は、主にワセリンなどの「油」。ベタつくが、刺激性が非常に低く、皮膚を保護する力(保湿力)が非常に高い。ジュクジュクした患部にも、カサカサした患部にも使える、万能選手。最強ステロイドの「デルモベート」が軟膏で処方されていたのは、この「低刺激性」と「保護力」が、重宝されたから、という側面も強いです。
・クリーム(Cream):
基剤は、油と水を「乳化剤(界面活性剤)」で混ぜ合わせたもの。サラッとしてのびが良く、使用感は抜群。しかし、軟膏に比べて刺激性(ピリピリ感)が出やすい可能性があり、ジュクジュクした患部には不向きな場合があります。また、乳化剤(添加物)にかぶれる(アレルギーを起こす)人も、ごく稀にいます。
どうでしょうか?
「最強」のステロイド治療を必要とするような、デリケートで重症な皮膚(例えば、乾癬や掌蹠膿疱症)に、あえて「刺激性が出るかもしれない」クリーム剤を選ぶメリットは、あまりないように思えませんか?
もちろん、クリームの方が相性が良い方もいますが、
「今まで軟膏で問題なかった」のであれば、ジェネリックも「軟膏」を選ぶのが、失敗しないための鉄則です。
「使用感」だけを優先して、治療の「安定性」を失っては、本末転倒ですからね。
ポイント3:薬剤師さんにも相談しよう!調剤薬局でのWチェック
皮膚科の診察室では、緊張して(あるいは、時間がなくて)言いたいことの半分も言えなかった…
そんな経験、ありますよね。
でも、大丈夫!私たちには「調剤薬局の薬剤師さん」という、第二の砦があります。
病院(医師)は、あなたの「病気」を診断し、「処方箋」を書くプロです。
薬局(薬剤師)は、その処方箋に基づき、あなたの「薬」を調剤し、「薬の飲み方・使い方」を説明するプロです。
デルモベートからジェネリックへの切り替えで、あなたが感じている「不安」…
例えば、
「このジェネリックって、どこの会社が作ってるんですか?」
「デルモベート軟膏と比べて、ベタつき感とか、違いますか?」
「もし、これを使ってかゆみが出たら、どうすればいいですか?」
といった「薬そのもの」に関する質問は、むしろ薬剤師さんにした方が、的確な答えが返ってくる可能性が高いです。
彼ら(薬剤師)は、その薬局が在庫しているジェネリックの特徴(例えば、「このメーカーの軟膏は、基剤にこだわっていて、先発品に近い使用感ですよ」とか)を、熟知しているはずです。
医師との「診察」で聞き逃したこと、不安なことを、薬局での「服薬指導」の際に、すべてぶつけてみましょう。
医師と薬剤師、この「二重のチェック(Wチェック)」をパスして初めて、あなたは「後悔のない」代替薬への切り替えを、完了することができるのです。
まとめ:デルモベート軟膏 販売中止に冷静に対応するためのロードマップ

長かったデルモベート軟膏の「販売中止」のニュース解説も、いよいよこれが最後の章です。
「デルモベートがなくなる!」と、あれほど不安に思っていたのが、ウソのようではないでしょうか。
デルモベート(先発品)は、確かに2025年12月頃をもって市場から姿を消します。
しかし、その「魂」とも言える有効成分「クロベタゾールプロピオン酸エステル」は、数多くの「ジェネリック医薬品」に受け継がれ、今後も私たちの治療を支え続けてくれるのです。
最後に、この記事で学んだ「デルモベート販売中止」というニュースに、私たちが冷静に対応するための「ロードマップ(行動計画)」を、もう一度、簡潔にまとめておきましょう。
【総括】私たちが今すぐやるべき3つのこと
デルモベート軟膏(クリーム、ローション)を現在使用している(あるいは、ストックを持っている)あなたが、今すぐやるべきことは、たったの3つです。
1. 手持ちのストックの「使用期限」を確認する
→ 期限が切れていたり、変色・分離・異臭がしたりするものは、迷わず廃棄!
→ 親切心で、家族や他人に「おすそ分け」するのは、厳禁!
2. 「販売中止」を理由に、薬を買い溜めしたり、自己判断で中止したりしない
→ 買い溜めは不要です。ジェネリックが待っています。
→ 自己判断での中止は「リバウンド」の危険があります。医師の指示通りに使い続けてください。
3. 次回の診察時に、医師と「ジェネリックへの切り替え」について相談する
→ 「販売中止の件、聞きました」と、あなたから切り出してみましょう。
→ 「使用感(ベタつきなど)」が気になるタイプか、伝えておきましょう。
→ 処方されたジェネリックを使ってみた「正直な感想」を、必ず次回の診察でフィードバックしましょう。
不安を煽る情報に惑わされないで!
これから、インターネット上(特にSNSなど)では、「デルモベートが手に入らない!」「最強ステロイドがなくなるなんて、日本の医療は終わりだ!」といった、事実(ジェネリックがあること)を無視した、大げさで、不安を煽るだけの情報が、出回るかもしれません。
(※そういった情報に便乗して、高額で「個人輸入代行」などを謳う、怪しいサイトが出てくる可能性もあります)
しかし、この記事をここまで読んでくださった、賢明なあなたは、もう惑わされませんよね。
デルモベート軟膏の販売中止は、皮膚科治療における「一大事」ではありますが、決して「絶望」ではありません。
むしろ、「先発品」という“ブランド”に頼らず、その「中身(成分)」と向き合い、自分に合った「ジェネリック」を見つける、絶好の「機会」なのです。
(そして、ついでに薬代も節約できちゃう、というオマケつきです!)
これからも続く皮膚治療のために(筆者からのメッセージ)
デルモベート軟膏のような「最強」クラスの薬を必要とするあなたの皮膚症状は、決して「生やさしい」ものではないはずです。
日々の症状の波に、一喜一憂し、時には「もう、治らないんじゃないか…」と、心が折れそうになることもあるかもしれません。
そんな、あなたの「最後の砦」だったデルモベートがなくなる、と聞けば、不安になるな、という方が無理な話です。
しかし、何度でも言います。
あなたの治療は、終わりません。
デルモベート(先発品)という「名前」の薬はなくなっても、
「クロベタゾールプロピオン酸エステル」という「成分」は、
クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏「サワイ」として、
クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏「トーワ」として、
グリジール軟膏として…
名前と、チューブのデザインと、(もしかしたら)薬代と、(もしかしたら)少しの使用感を変えて、これからも、あなたのそばに、ちゃんと「居続けて」くれます。
だから、何も心配せず、不安にならず、
これからも、あなたの主治医(皮膚科医)と、かかりつけの薬剤師さんを信頼して、
前向きに、治療を続けていきましょう。
この記事が、デルモベートの販売中止という「変化の波」を、あなたが不安なく、賢く、そしてスムーズに乗り越えるための「浮き輪」となれたなら、筆者(どこストア)として、これほど嬉しいことはありません。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!




