【2025年最新】リチウムイオン電池はどこに売ってる?主要メーカー別おすすめとAmazon・家電量販店で失敗しない安全な選び方を徹底解説!

【2025年最新】リチウムイオン電池はどこに売ってる?主要メーカー別おすすめとAmazon・家電量販店で失敗しない安全な選び方を徹底解説!

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こんにちは!筆者のどこストアです。

最近、モバイルバッテリーや電動工具、さらには電気自動車(EV)まで、私たちの生活のありととあらゆる場面で「リチウムイオン電池」の存在感が増していますよね。「そろそろ交換したい」「新しくデバイスを作りたいからセルが欲しい」という時に、「そういえば、これってどこに売ってるんだろう?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?

ホームセンター?それともネット通販?

実は、リチウムイオン電池は、その種類や用途によって売っている場所がガラッと変わるんです。特に注意が必要なのが、安全性が直結する「単品セル」の購入。間違った知識で手を出してしまうと、思わぬ事故につながる危険性もゼロではありません。

この記事では、「どこに売っているか」という購入場所の疑問から、「どのメーカーの」「どんな種類(材料)」を選べば安全で長持ちするのかまで、初心者の方にも分かりやすく、徹底的に解説していきます。これを読めば、あなたが必要なリチウムイオン電池を安全・確実に手に入れることができますよ!

・探しているリチウムイオン電池はすぐに見つかる!結論と全体像
・【実店舗編】リチウムイオン電池が購入できる場所と在庫状況
・【ネット通販編】Amazon、楽天で買うメリット・デメリットと注意点
・単品セル(18650など)の購入は要注意!粗悪な製品を見分ける3つのポイント
・用途別!モバイルバッテリー、電動工具、EV用セルの正しい選び方
この記事を書いた人
どこストア

「それ、どこで売ってるの?」と聞かれたら、じっとしていられない。ネットもリアル店舗もくまなく調べて、レア商品から期間限定グッズまで見つけ出すのが得意。誰かの“買いたい”を叶える瞬間が何よりの喜び。あなたの探し物、きっと見つけます!

どこストアをフォローする
  1. 探しているリチウムイオン電池はすぐに見つかる!結論と全体像
    1. リチウムイオン電池はどこで売っているのか?結論から先に紹介します
    2. あなたが探している「形」はどのタイプですか?
      1. 円筒型(シリンダー型)
      2. 角型(プリズム型)
      3. パウチ型(ラミネート型)
  2. 【実店舗編】リチウムイオン電池が購入できる場所と在庫状況
    1. 家電量販店(ヨドバシ、ヤマダ等):純正品やモバイルバッテリーが主力
      1. 取り扱いが豊富な製品
      2. 実店舗のメリット
      3. 在庫状況の傾向
    2. ホームセンター:電動工具や特定バッテリーの交換品を探すならここ
      1. ホームセンターが得意な分野
      2. 実店舗ならではの注意点
    3. 電子部品・専門店の活用術:特殊なセルが必要な場合
      1. 取り扱い例
      2. 購入時の最重要チェック事項
  3. 【ネット通販編】Amazon、楽天で買うメリット・デメリットと注意点
    1. ネット通販最大のメリットは「品揃えと価格競争力」
    2. 失敗しない!信頼できる出品者を見分ける3つのチェックポイント
      1. チェックポイント1:販売業者(ストア)の評価と実績
      2. チェックポイント2:PSEマークの有無(バッテリーパックの場合)
      3. チェックポイント3:「価格」が安すぎないか?
    3. Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの利用が最もおすすめな理由
      1. セキュリティと補償制度
  4. 単品セル(18650など)の購入は要注意!粗悪な製品を見分ける3つのポイント
    1. なぜ単品セルは危険なのか?保護回路の重要性
    2. 「公称容量」に惑わされない!スペック詐欺を見抜く方法
      1. スペック詐欺の現実
      2. 見抜くためのチェックリスト
    3. 安全な「プロテクト付き」セルを選ぶことが命を守る
      1. プロテクト付きセルの選び方
  5. 用途別!モバイルバッテリー、電動工具、EV用セルの正しい選び方
    1. モバイルバッテリー:容量(mAh)と出力(W)のバランスが重要
      1. チェックすべきポイント
    2. 電動工具用:高出力(A)と高い耐久性が求められる理由
      1. 電動工具用バッテリーの特殊性
    3. EV・蓄電池用:安全性と長寿命を優先する「電池の種類」とは
      1. 重視される性能
  6. リチウムイオン電池の「種類」を理解しよう:性能を決める正極材の違い
    1. 正極材が「電池の性格」を決めている
    2. 今知っておきたい主要な3つの正極材とその特徴
    3. 負極材の進化がもたらす「充電速度と寿命」の未来
  7. 高出力でEV主流!「三元系(NMC)」のメリットと安全性
    1. 三元系の強みは「高いエネルギー密度」と「長い航続距離」
    2. ニッケル、マンガン、コバルトの比率による性能変化
    3. 熱暴走リスクへの対策:EVメーカーが取り組む安全技術
  8. 熱安定性が魅力!「リン酸鉄系(LFP)」はどんな用途で活躍する?
    1. LFPが「爆発しにくい」と言われる熱安定性の秘密
    2. 長寿命・低コストのLFPは定置用蓄電池や日常使いに最適
    3. LFPの弱点(エネルギー密度の低さ)を克服する最新技術
  9. 電池の構造は?リチウムイオン電池を構成する4大材料を解説
    1. 電池の主役「正極」と「負極」の役割
      1. 正極(カソード)
      2. 負極(アノード)
    2. 安全の要!「セパレータ(分離膜)」と「電解液」の働き
      1. セパレータ(分離膜)
      2. 電解液
    3. セルからパックへ:BMS(バッテリー管理システム)の重要性
  10. 世界と日本!知っておきたい主要リチウムイオン電池メーカー一覧
    1. 世界市場のリーダーたち:CATL、LGES、Samsung SDI
      1. CATL (Contemporary Amperex Technology Co., Limited) (中国)
      2. LG Energy Solution (LGES) (韓国)
      3. Samsung SDI (韓国)
    2. 日本を代表するメーカー:パナソニック、村田製作所、GSユアサの強み
      1. パナソニックエナジー (Panasonic Energy)
      2. 村田製作所 (Murata Manufacturing)
      3. GSユアサ (GS Yuasa)
    3. メーカーの信頼性が「安心」につながる理由
  11. 長持ちさせるために:リチウムイオン電池の正しい使い方と充電方法
    1. 満充電・完全放電はNG!最適な充電レベルは「30%〜80%」
      1. 電池が最も安定する状態
    2. 発熱は劣化のサイン!充電中に熱を持たせない工夫
      1. 充電中の発熱対策
    3. 継ぎ足し充電は気にしなくてOK!メモリー効果がない特性を活かす
  12. 実は間違ってるかも?リチウムイオン電池の正しい保管方法と注意点
    1. 長期保管のベストな充電残量は「50%前後」
    2. 保管場所は「涼しく乾燥した場所」が鉄則
      1. 避けるべき保管場所
    3. ショートの危険!金属製品と一緒に保管してはいけない理由
      1. 保管時の安全対策
  13. 処分に困らない!リチウムイオン電池の正しい廃棄・リサイクル方法
    1. 放置は火災の元!なぜリサイクルが必要なのか
      1. 安全性の確保
      2. 希少資源の有効活用
    2. JBRC協力店の活用:正しい回収ルートとルール
      1. JBRCの回収対象
      2. 回収場所の探し方
    3. 自分で分解するのは絶対にやめてください

探しているリチウムイオン電池はすぐに見つかる!結論と全体像

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まず結論からお伝えしますね!

あなたが探しているリチウムイオン電池が「すでに完成された製品の一部」なのか、それとも「バッテリーそのもの」なのかによって、購入先は大きく変わります。多くの人は、主に以下の3つのパターンに分類されます。

探しているもの 具体的な例 主な購入先(結論)
完成品(パック) スマホ用モバイルバッテリー、ノートPC・電動工具の交換バッテリー、電動アシスト自転車のバッテリー 家電量販店、ホームセンター、メーカー公式ストア、大手ネット通販
規格品(セル) 18650型、21700型などの円筒形セル、電子タバコ、電子工作用 電子部品専門店、大手ネット通販(信頼できるショップのみ)
特殊な産業用 ドローン、医療機器、大型蓄電システム用カスタムパック 専門のバッテリー問屋、産業用部品商社

この中で、最も多くの人が利用するのが「完成品(パック)」の購入だと思います。モバイルバッテリーのように、誰でも手軽に使える状態になっているものは、どこでも手に入りますからご安心ください。ただし、最も注意が必要なのは、自作の電子工作や特定の機器の修理・改造に使う「単品セル」です。これは、知識なしに手を出すと非常に危険なので、後ほど詳しく解説していきます。

リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を持つため、非常に便利な反面、取り扱いを間違えると発火などの大きな事故につながるリスクも持っています。だからこそ、「どこで買うか」と同じくらい、「何を基準に選ぶか」が大切なんです。

この結論を踏まえて、次のセクションからは、具体的な購入場所ごとのメリット・デメリットを掘り下げていきましょう。あなたのライフスタイルや必要な電池の種類に合った、ベストな購入方法が見つかるはずですよ!

ちなみに、リチウムイオン電池は今や世界中で製造されているため、その技術は日々進化しています。知れば知るほど奥が深い分野ですが、一緒に学んでいきましょう!

リチウムイオン電池はどこで売っているのか?結論から先に紹介します

あなたが普段、「電池」を買う場所を想像してみてください。コンビニ、スーパー、家電量販店、そしてネット通販ですよね。リチウムイオン電池も例外ではありませんが、「用途によって売り場が変わる」という点が重要になります。

【初心者の方へのおすすめ】
あなたがもし、「スマホを充電するためのモバイルバッテリー」や「電動ドライバーの純正交換バッテリー」を探しているなら、迷わず大手ネット通販(Amazon、楽天市場など)か、お近くの家電量販店へ行くのが最も手っ取り早く安全です。これらのルートで売られている製品は、PSEマークなどの国の安全基準をクリアしたバッテリーパックであることがほとんどだからです。

【中級者以上の方へ】
もしあなたが、18650のような規格セル(保護回路がついていないものもある)を複数本まとめて購入したい、あるいは特定の機器用のカスタムバッテリーパックを探しているなら、専門の電子部品店やバッテリー問屋のオンラインストアを利用することになります。この場合、商品の信頼性や仕様を自分で判断する知識が必須となります。

最も避けてほしいのは、出所が不明なフリマアプリや海外の怪しいショップから「安すぎる」単品セルを購入することです。価格の安さには、必ず何らかの理由があります。多くの場合、それは安全性や品質が犠牲になっているケースです。

私たちは、便利さと安心感を両立させる購入ルートを選ぶことが、最も賢い消費者行動だと言えるでしょう。

あなたが探している「形」はどのタイプですか?

リチウムイオン電池と言っても、その形状は一つではありません。私たちが普段目にする形状は、大きく分けて以下の3種類があります。あなたの探している電池の形をチェックしてみてください。

 

円筒型(シリンダー型)

これが最も一般的な形です。乾電池のように丸く、規格化されたサイズ(例:直径18mm、長さ65mmの「18650」や、EV向けに開発された直径46mm、長さ80mmの「4680」など)があります。

  • 主な用途: ノートPCのバッテリーパック内部、モバイルバッテリー内部、電動工具、EV(テスラなどが採用)
  • 特徴: 製造が容易でコストが低い。高い信頼性と耐久性を持つ。

 

角型(プリズム型)

四角い金属ケースに入った形状です。スペース効率が高く、自動車などの限られた空間に多数搭載するのに適しています。

  • 主な用途: EV、ハイブリッド車、定置型蓄電池
  • 特徴: パック化した時の密度が高い。大型化に向いている。

 

パウチ型(ラミネート型)

アルミラミネートフィルムで包まれた、薄いシート状の形状です。柔軟性があり、様々な形に加工しやすいのが特徴です。

  • 主な用途: スマートフォン、タブレット、ドローン、ウェアラブル機器
  • 特徴: 軽量で薄型化が可能。デザインの自由度が高い。

もしあなたがスマホやタブレットのバッテリーを交換したい場合は「パウチ型」、電動工具のバッテリーを交換したい場合は「円筒型」やそれを組み込んだ「パック」を探すことになります。形状が分かれば、ぐっと購入先が絞り込めますよね。

どの形状であっても、安全に使用するためには信頼できるルートで購入することが何よりも大切です。

【実店舗編】リチウムイオン電池が購入できる場所と在庫状況

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「実際に手に取って確認したい」「急いでいるからいますぐ欲しい」という方にとって、実店舗での購入は魅力的な選択肢です。しかし、全ての種類のリチウムイオン電池が実店舗に置いてあるわけではありません。

ここでは、主要な実店舗での取り扱い状況と、それぞれの店の得意分野について詳しくご紹介します。

家電量販店(ヨドバシ、ヤマダ等):純正品やモバイルバッテリーが主力

大手家電量販店は、私たちが最も安心してリチウムイオン電池製品を購入できる場所の一つです。

取り扱いが豊富な製品

  • モバイルバッテリー: Anker、cheero、エレコムなどの有名ブランドの製品が豊富に揃っています。容量や出力(PD対応など)を比較しながら選べるのが魅力です。
  • デジタル機器の純正バッテリー: カメラ、ビデオカメラ、ノートPCなどのメーカー純正交換バッテリーや、信頼性の高い互換品(サードパーティ製)が置いてあります。
  • 充電式乾電池(Ni-MH)の代わりに: 単3、単4形のリチウムイオン充電池はあまり見かけませんが、製品内蔵型のバッテリーパックとしての完成品がほとんどです。

 

実店舗のメリット

最大のメリットは、「その日のうちに手に入る」ことと、「店員さんに相談できる」ことでしょう。特に、自分が使っている機器に合うかどうか不安な場合は、店員さんに確認してもらえるのは大きな安心材料になります。また、展示品で実際のサイズ感や重さを確認できるのも良い点です。

 

在庫状況の傾向

基本的に、在庫が安定しているのは「売れ筋のモバイルバッテリー」や「主要メーカーの純正カメラバッテリー」です。非常に特殊な形状のバッテリーや、古い機種のバッテリーは在庫がない場合が多く、取り寄せになることがほとんどです。急ぎの場合は、事前に電話で在庫を確認するのが確実です。

ホームセンター:電動工具や特定バッテリーの交換品を探すならここ

ホームセンター(カインズ、コーナン、DCMなど)は、家電量販店とは少し異なる種類のリチウムイオン電池製品を取り扱っています。

 

ホームセンターが得意な分野

ホームセンターは、プロやDIY愛好家向けの「電動工具」の分野に強みを持っています。

  • 電動工具用バッテリー: マキタ、HiKOKI(旧日立工機)、リョービなどの電動ドライバーやインパクトレンチ用の交換バッテリーパックが充実しています。これらは高出力が求められるため、専用設計されたリチウムイオン電池(セル)が使われています。
  • 園芸・農作業機器: チェーンソーや芝刈り機などのコードレス機器用の大型バッテリーパックも見つけることができます。
  • ポータブル電源: 最近は、キャンプや災害対策用の大型ポータブル電源(内部にリチウムイオン電池が組み込まれている)も取り扱いが増えています。

 

実店舗ならではの注意点

ホームセンターで販売されている電動工具用のバッテリーは、互換品も多く出ていますが、安価な互換品の中には、粗悪なセルが使われているものも存在します。必ずメーカー純正品か、信頼できる販売店の互換品を選ぶようにしましょう。純正品でないと、工具本体の保証対象外になるケースもありますので注意が必要です。

電子部品・専門店の活用術:特殊なセルが必要な場合

秋葉原の電子部品街にあるような専門店や、特定の産業用バッテリーを扱う専門問屋のオンラインストアは、一般の量販店では手に入らない特殊なリチウムイオン電池を探している方にとって重要です。

 

取り扱い例

  • 単品の規格セル(18650、21700など): 保護回路の有無や、セルの製造メーカー(パナソニック、サムスン、LGなど)が明記された、信頼性の高いセルが販売されています。
  • リチウムポリマー電池(Li-Po): ドローンやRCカーなど、軽量かつ高出力を求めるホビー用途の電池。
  • BMS(バッテリーマネジメントシステム): 複数のセルを安全に制御するための基板。

 

購入時の最重要チェック事項

ここで扱う単品セルは、知識と技術をもって扱うことが前提です。特に、保護回路(過充電・過放電・過電流を防ぐ回路)が内蔵されていない「生セル」は、配線や充電方法を間違えると、非常に高い確率で発火・爆発の危険があります。

もし電子工作などの知識がない場合は、絶対に手を出さないでください。どうしても必要な場合は、「プロテクト付き」と明記された、安全回路が搭載されているセルを選ぶようにしましょう。この点については、次のネット通販の項目でさらに詳しく解説しますね。

このように、実店舗は「完成された製品」を探すのに非常に便利ですが、種類や専門的な情報は限られています。より多くの選択肢と詳細な情報を得るには、やはりネット通販の活用が不可欠です。

【ネット通販編】Amazon、楽天で買うメリット・デメリットと注意点

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現代において、リチウムイオン電池の主要な購入チャネルは間違いなく大手ネット通販です。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったプラットフォームは、その品揃えと利便性で実店舗を圧倒しています。

しかし、その利便性の裏側には、利用者自身が「安全」を判断しなければならないという責任も伴います。ここでは、ネット通販を賢く、そして安全に利用するためのポイントを解説します。

ネット通販最大のメリットは「品揃えと価格競争力」

ネット通販の最大の強みは、実店舗の棚面積の制限がないため、国内・海外のあらゆるメーカーの製品を比較検討できる点にあります。

 

  • 圧倒的な品揃え: 最新のPD対応モバイルバッテリーから、数年前に生産が終了した古い電動工具の互換バッテリーまで、ニッチな商品も見つかります。
  • 価格競争力: 多数の業者が参入しているため、価格競争が働きやすく、実店舗よりも安価に購入できるケースが多くあります。
  • ユーザーレビュー: 実際に購入した人のレビューや評価を参考にできるため、製品の信頼性や使い勝手を事前に確認できます。特に、充電の持ちや発熱に関するレビューは、安全性の判断材料になります。

 

ただし、この「圧倒的な品揃え」こそが、ネット通販の最大の落とし穴にもなり得ます。次のセクションで、その注意点を見ていきましょう。

失敗しない!信頼できる出品者を見分ける3つのチェックポイント

ネット通販で特に注意が必要なのが、「粗悪な模倣品」や「スペック偽装品」の存在です。特にリチウムイオン電池は、容量を偽ったり、古いセルを再利用したりした製品が、安全性も保証されずに安価で出回っていることがあります。

 

チェックポイント1:販売業者(ストア)の評価と実績

Amazonや楽天では、商品レビューだけでなく、「出品者そのもの」の評価を必ず確認してください。

  • 評価が極端に低い、あるいは評価数が極端に少ない業者は避ける。
  • 企業情報(住所、電話番号)が明記されているか確認する。海外の住所でも、日本の窓口がしっかりしているかを見る。

 

チェックポイント2:PSEマークの有無(バッテリーパックの場合)

日本国内で販売される特定の電気用品(モバイルバッテリーなど)には、国の安全基準を満たした証である「PSEマーク」の表示が義務付けられています。このマークがない製品は、国内での販売自体が違法となるため、絶対に購入してはいけません。商品説明文や製品画像でマークの有無を必ず確認しましょう。

 

チェックポイント3:「価格」が安すぎないか?

市場価格と比べて極端に安い製品は、何らかの理由があります。特に大容量(例:モバイルバッテリー20,000mAhなど)を謳っているのに価格が安すぎる場合、容量が偽装されているか、安全性を確保するための保護回路が不十分な可能性が高いです。高性能なリチウムイオンセルには、それ相応のコストがかかることを理解しておきましょう。

Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの利用が最もおすすめな理由

信頼性の高いリチウムイオン電池製品を探すなら、やはり大手プラットフォームの利用が最も安全です。

 

セキュリティと補償制度

これらの大手サイトでは、万が一のトラブルや偽装品を購入してしまった場合でも、運営側による返金・返品対応などの補償制度が整っています。特に安全に関わる製品ですから、この補償体制の有無は非常に重要です。

筆者のどこストアでは、利便性、価格、そして安全性の総合的な観点から、まずこれらの大手ネット通販で探すことを強くおすすめします。フリマアプリのメルカリなどでも売買はされていますが、出品者個人の知識や商品の状態に依存するため、安全性を重視するなら専門業者から購入するのが賢明です。

単品セル(18650など)の購入は要注意!粗悪な製品を見分ける3つのポイント

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電子工作や、バッテリーパックの中身を自力で交換しようと考えている方は、円筒形の「単品セル」を検討されるかもしれません。特に「18650」という規格は有名ですが、この単品セルの購入と取り扱いは、リチウムイオン電池の中で最も高い危険を伴います。

このセクションでは、なぜ単品セルが危険なのか、そして安全性を確保するためにチェックすべき3つのポイントを解説します。

なぜ単品セルは危険なのか?保護回路の重要性

私たちが普段使っているモバイルバッテリーや電動工具のバッテリーパックは、実は複数の単品セルと、それらを安全に制御する「保護回路(BMS:バッテリーマネジメントシステム)」がセットになっています。

この保護回路は、以下の重要な役割を果たしています。

 

  • 過充電防止: 満タンになってもさらに充電され続けるのを防ぐ(発火の原因)。
  • 過放電防止: 電池が空になりすぎるのを防ぐ(電池寿命の極端な低下)。
  • 過電流防止: ショートなどで大電流が流れるのを遮断する(発火の原因)。
  • 温度監視: 電池が高温になった場合に充電・放電を停止する。

 

一方、単品で販売されている「生セル」や「工業用セル」と呼ばれる製品は、この保護回路が内蔵されていません。そのため、充電器や接続機器側でこれらの安全管理ができないと、非常に簡単に危険な状態になってしまいます。

特に、安価な充電器と組み合わせると、過充電でパンクするリスクが非常に高いのです。知識のない方は、必ず保護回路が内蔵された「プロテクト付き」のセルを選びましょう。

「公称容量」に惑わされない!スペック詐欺を見抜く方法

ネット通販で単品セルを探していると、「容量5000mAh!」や「超大容量7000mAh!」といった製品を目にすることがあります。しかし、リチウムイオン電池には、現在の技術で実現可能な容量には上限があります。

 

スペック詐欺の現実

高性能な18650セル(直径18mm、長さ65mm)の公称容量は、世界トップメーカー製(例:パナソニックエナジーの製品など)でも、2025年現在で最大3,500mAh〜3,600mAh程度が上限とされています。

もし「5,000mAh」や「7,000mAh」と謳っている18650セルを見かけたら、それはスペック偽装(詐欺)である可能性が極めて高いです。実際には容量が非常に少なかったり、古い品質の悪いセルを再利用していたりします。

 

見抜くためのチェックリスト

  • メーカー名を確認: 信頼できるメーカー(パナソニック、ソニー、サムスン、LG、村田など)の製品か?
  • 価格帯を確認: 信頼できる3,000mAhクラスのセルは、一本あたり安くても1,000円〜2,000円程度はします。極端に安い場合は要注意。
  • レビューを確認: 「実際に容量を測ったらスペック通りではなかった」というレビューがないか、必ずチェックしましょう。

この容量詐欺に引っかかると、期待していた性能が出ないだけでなく、品質が悪いゆえに発熱や液漏れなどのトラブルにつながるリスクも高まります。

安全な「プロテクト付き」セルを選ぶことが命を守る

単品セルを購入する際は、前述したように「プロテクト付き」のものを選ぶのが、安全への最短ルートです。

「プロテクト付き」のセルは、セルの側面に小さな保護回路基板が取り付けられており、前述の過充電・過放電などを防いでくれます。プロテクト付きセルは、その基板の分、通常のセルよりも少し(数ミリ)長くなっているのが特徴です。

プロテクト付きセルの選び方

特徴 プロテクト付き 生セル(プロテクトなし)
安全性 高い(充電器側での失敗リスクを軽減) 低い(充電器や回路設計に全て依存)
用途 懐中電灯、ヘッドライト、保護回路内蔵機器の代替 電子工作、自作バッテリーパック、プロ用途
価格 やや高め 安価(ただし安全コストを含めると割高)

もし、あなたが「ちょっとした懐中電灯に使いたい」という程度であれば、迷わずプロテクト付きを選んでください。専門知識がない方が生セルを扱うのは、火薬を扱うのと同じくらい危険だと認識しておくことが大切です。

リチウムイオン電池は、正しく使えば非常に便利なエネルギー源です。その利便性を享受するためにも、知識武装と安全な製品選びを徹底しましょう。

用途別!モバイルバッテリー、電動工具、EV用セルの正しい選び方

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リチウムイオン電池と一口に言っても、スマートフォンに使われるものと、電気自動車に使われるものでは、求められる性能が全く異なります。

 

選ぶ際に失敗しないためには、まず「あなたの用途に求められる性能は何か?」を明確にすることが重要です。

モバイルバッテリー:容量(mAh)と出力(W)のバランスが重要

モバイルバッテリー選びで多くの人が注目するのは「容量(mAh)」ですが、今最も重要なのは「出力(W)」です。

 

チェックすべきポイント

  • 容量(mAh): スマホを何回フル充電できるかの目安。ただし、実際に使える容量は表示の60〜70%程度になることが多いです。
  • 出力(W): Power Delivery(PD)に対応しているか。最新のスマホやノートPCを急速充電するには、最低でも20W、ノートPCなら45W〜65W以上の出力が必要です。ワット数が低いと、充電に非常に時間がかかってしまいます。
  • 安全性: 有名ブランド(Anker、CIO、cheeroなど)の製品を選び、複数の安全保護機能(過充電保護、温度管理など)が搭載されていることを確認しましょう。

「大容量だけど出力が低い」モバイルバッテリーでは、最新の機器を快適に充電することはできません。容量と出力、そして安全性をバランスよく見極めることが、失敗しない選び方です。

電動工具用:高出力(A)と高い耐久性が求められる理由

電動ドライバーやインパクトレンチなどの電動工具は、瞬間的に非常に大きなパワー(電流)を必要とします。そのため、モバイルバッテリーとは全く異なる性能が求められます。

 

電動工具用バッテリーの特殊性

電動工具に使われるセルは、「エネルギー密度(容量)」よりも「高出力特性(電流を流せる能力:A)」が重視されます。

  • 高出力セル: 一瞬で数十アンペア(A)の電流を流せるように設計されており、内部抵抗が低く、熱を持ちにくい構造になっています。
  • 耐久性: 現場で酷使されることが多いため、振動や衝撃に強く、充放電サイクル寿命も長く設計されています。

電動工具のバッテリーが劣化すると、モーターが回らなくなったり、途中で止まってしまったりします。交換する際は、必ず純正品か、信頼できるメーカーの高出力セルが組み込まれた互換品を選びましょう。安価な互換品では、出力不足で工具の性能を最大限に引き出せないことが多いです。

EV・蓄電池用:安全性と長寿命を優先する「電池の種類」とは

電気自動車(EV)や家庭用蓄電池は、数十kWh〜数百kWhという巨大なエネルギーを扱うため、最も安全性が重視される分野です。

 

重視される性能

  • 安全性・熱安定性: 事故や故障時の発火リスクが最小限に抑えられていること。
  • 長寿命: 毎日充放電を繰り返すため、10年以上の長期間にわたって性能が維持されること。

 

このため、最近のEVや蓄電池では、従来の「三元系(NMC)」に加え、熱安定性に優れる「リン酸鉄リチウム系(LFP)」の採用が急速に増えています。LFPはエネルギー密度こそNMCに劣りますが、安全性が非常に高く、長寿命でコストも低いというメリットがあるため、家庭用蓄電池や日常使いのEVで特に注目されています。

 

次のセクションからは、この「リチウムイオン電池の種類」をさらに深掘りして、その違いがどのように性能に影響するのかを解説していきます。

リチウムイオン電池の「種類」を理解しよう:性能を決める正極材の違い

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リチウムイオン電池の性能や特性を決定づけているのは、ずばり「正極(プラス極)に使われている材料」です。

 

あなたが家電量販店で「このモバイルバッテリーは高性能です!」と言われたとしても、その根拠は、内部に使われている正極材の種類にあると言っても過言ではありません。この正極材の違いを理解すれば、電池を選ぶ際の視点が大きく変わりますよ。

正極材が「電池の性格」を決めている

リチウムイオン電池は、「リチウムイオン」が正極と負極の間を行ったり来たりすることで充放電を行います。このリチウムイオンを受け渡しする役割を担っているのが「正極材」です。

 

正極材の化学的な組成(コバルトを使うか、ニッケルを使うか、鉄を使うかなど)によって、以下の3つの重要な特性が決まります。

 

  • エネルギー密度: どれだけの容量を貯められるか(航続距離や駆動時間に関わる)
  • 熱安定性: 熱暴走や発火のリスクの低さ(安全性に関わる)
  • サイクル寿命: 何回充放電を繰り返せるか(電池の寿命に関わる)

例えば、スマートフォンは「薄く、軽く、長時間使える」ことが最優先なので、エネルギー密度が高い正極材が選ばれます。一方、家庭用蓄電池は「10年以上、安全に使い続けられる」ことが最優先なので、熱安定性と長寿命に優れた正極材が選ばれる、というわけです。

今知っておきたい主要な3つの正極材とその特徴

現在、市場で主流となっている主要な正極材は以下の3種類です。それぞれの特性を知っておくと、製品選びに役立ちます。

 

正極材の種類 材料の組成 主な特徴 適した用途
三元系(NMC/NCA) ニッケル・マンガン・コバルト(またはニッケル・コバルト・アルミニウム) エネルギー密度が最も高い。高出力。 EV(航続距離重視)、ハイエンドモバイル機器
リン酸鉄系(LFP) リン酸鉄リチウム 熱安定性が非常に高い。長寿命、低コスト。 定置用蓄電池、日常使いのEV、業務用車両
コバルト系(LCO) コバルト酸リチウム 高エネルギー密度。小型化しやすい。 スマートフォン、ノートPC(初期から普及)

 

特にEV市場では、「三元系」と「リン酸鉄系」の二強の競争が激化しており、それぞれの電池が持つ特性を活かした棲み分けが進んでいます。

負極材の進化がもたらす「充電速度と寿命」の未来

正極材が「電池の性格」を決めるなら、負極材は主に「充電速度」と「サイクル寿命」に影響を与えます。

 

現在の負極材の主流は「炭素系材料(グラファイト)」ですが、さらに高性能化が進んでいます。

  • シリコン系負極材: 理論上、グラファイトの10倍以上の容量を持つため、エネルギー密度を飛躍的に向上させる「次世代の負極材」として世界中で開発競争が行われています。
  • チタン酸リチウム(LTO): グラファイトよりも充放電速度が速く、非常に長寿命です。急速充電が必要な分野(例:特定のEV、ハイブリッドバス)で使われています。

 

「充電時間5分で80%充電!」といった技術革新は、主にこの負極材の進化によって実現されようとしています。電池技術の進歩は非常に速いので、常に最新の情報をチェックすることをおすすめします。

これらの材料の詳しい違いや安全対策については、次のセクションから個別に掘り下げていきましょう。知れば知るほど、電池の進化が楽しくなりますよ!

高出力でEV主流!「三元系(NMC)」のメリットと安全性

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三元系リチウムイオン電池(NMC:ニッケル・マンガン・コバルト)は、現在、多くの高性能EVやハイエンドなモバイル機器で最も広く採用されている正極材です。

 

この電池の最大の魅力は、その圧倒的な「エネルギー密度」にあります。

三元系の強みは「高いエネルギー密度」と「長い航続距離」

なぜ三元系はこれほど高いエネルギー密度を実現できるのでしょうか?

その秘密は、主原料の一つである「ニッケル」にあります。ニッケルの比率を高めることで、電池が蓄えられるリチウムイオンの量を増やし、結果として同じ重さ、同じ体積でもより多くのエネルギーを貯蔵できるようになります。

 

メリット 具体的な影響
高エネルギー密度 EVの航続距離が伸びる。スマホやノートPCがより薄く、長時間使える。
高出力 急速充電に対応しやすい。電動工具で瞬時に大きな力を出せる。

 

三元系電池は、航続距離が重視されるEVにとって必要不可欠な技術です。しかし、ニッケルの比率を高めれば高めるほど、ある問題が発生します。それが「熱安定性」の低下です。

エネルギーを多く詰め込むということは、それだけ内部で熱が発生しやすく、暴走した時のエネルギーも大きくなるということです。

ニッケル、マンガン、コバルトの比率による性能変化

三元系は、ニッケル(N)、マンガン(M)、コバルト(C)の比率を変えることで、性能を調整しています。

 

  • ニッケルリッチ化: エネルギー密度を高めるためにニッケルの比率(例:NMC 811の「8」の部分)を増やす動きがトレンドです。ただし、ニッケル比率が高いほど、熱的に不安定になりやすいというトレードオフがあります。
  • マンガンの役割: マンガンは、主に電池の構造を安定させ、安全性を保つ役割を担っています。
  • コバルトの役割: コバルトは、電池の寿命や出力を向上させる重要な材料ですが、資源量が少なく高価であるため、使用量を減らす「コバルトフリー」化の研究も進められています(例:パナソニックのコバルトフリーへの取り組み)。

 

各メーカーは、この3つの材料の比率を調整することで、EVごとに最適な「密度」「安全性」「コスト」のバランスを追求しているのです。

熱暴走リスクへの対策:EVメーカーが取り組む安全技術

三元系リチウムイオン電池の最大の懸念は、外部からの強い衝撃や内部短絡(ショート)によって温度が急上昇し、連鎖的に発熱する「熱暴走」のリスクです。

 

しかし、EVメーカーや電池メーカーは、このリスクを最小限に抑えるために、以下のような高度な安全技術を組み込んでいます。

  • セルレベルでの対策: セルの外装を強化したり、内部に難燃性の添加物を入れたりする。
  • パックレベルでの対策: セルとセルの間に断熱材を設置し、一つのセルの熱暴走が隣のセルに伝播するのを防ぐ。
  • 熱管理システム(TMS): 常に電池の温度を監視し、過熱しそうになったら冷却水や冷媒で積極的に冷やすシステム。

 

これらの技術により、現代のEVに搭載されている三元系電池の安全性は非常に高くなっています。重要なのは、「信頼できるメーカーの、安全管理システムがしっかりした製品」を選ぶということです。安価な製品には、こうした安全対策が不十分なものが多いため、注意が必要です。

熱安定性が魅力!「リン酸鉄系(LFP)」はどんな用途で活躍する?

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三元系(NMC)と並んで、近年急速に存在感を増しているのがリン酸鉄リチウム系(LFP:Lithium Iron Phosphate)の電池です。

 

LFPは、三元系とは全く異なる特性を持っています。一言で言うと、「爆発しにくく、非常に長持ちする、エコノミーな電池」です。

LFPが「爆発しにくい」と言われる熱安定性の秘密

LFPが熱安定性に優れている理由は、その化学構造にあります。

 

  • 強力な結晶構造: LFPの結晶構造は非常に頑丈で、高温になっても酸素を放出しにくい特性があります。
  • 熱暴走温度が高い: LFPは400℃〜500℃に達しないと構造が崩壊しません。一方、三元系は200℃前後で熱暴走が始まるリスクがあります。
  • 酸素が出ない: 電池が熱暴走を起こす原因の多くは、正極材から酸素ガスが発生し、それが電解液と反応して発火することです。LFPはこの酸素の放出が極めて少ないため、仮に高温になっても、炎上・爆発に至るリスクが非常に低いとされています。

 

この圧倒的な熱安定性こそが、LFPの最大の武器です。そのため、安全性や耐久性が何よりも重視される分野で、LFPの採用が広がっています。

長寿命・低コストのLFPは定置用蓄電池や日常使いに最適

LFPには、安全性以外にもう一つ大きなメリットがあります。それは「コストの低さ」と「長寿命」です。

 

  • 低コスト: LFPの主原料である「鉄」と「リン」は、三元系で使われるニッケルやコバルトに比べて資源が豊富で安価です。そのため、電池自体の製造コストを大幅に下げることができます。
  • 長寿命: LFPは充放電を繰り返しても正極材の劣化が非常に少ないため、サイクル寿命が長いという特徴があります。数千回の充放電に耐えられる製品も多く、家庭用蓄電池のように「毎日使いたい」用途に最適です。

 

これらの特性から、LFP電池は主に以下の用途で活躍しています。

 

  • 定置用蓄電池: 太陽光発電の電力を貯めたり、災害時に備えたりする家庭用・産業用の大型蓄電池。
  • 日常使いのEV: 航続距離よりもコストと安全性が重視される、シティコミューターなどの小型EV。
  • 業務用車両: フォークリフトやゴルフカートなど、決まったルートで頻繁に充放電を繰り返す用途。

特に、自宅に導入する蓄電池を選ぶ際は、LFPは最もおすすめできる選択肢の一つだと言えるでしょう。

LFPの弱点(エネルギー密度の低さ)を克服する最新技術

LFPの唯一の弱点は、三元系に比べてエネルギー密度が低いことです。同じ重さのLFP電池と三元系電池を比べると、三元系の方が多くのエネルギーを貯められます。これが、航続距離を最優先する高級EVでLFPの採用が遅れていた主な理由です。

しかし、中国の最大手メーカーCATL(Contemporary Amperex Technology Co., Limited)などに代表されるように、この弱点を克服するための技術開発が急速に進んでいます。

 

具体的な技術革新は、以下の通りです。

  • セルtoパック技術: 電池セルをモジュール(中間部品)にせず、直接バッテリーパックに組み込むことで、空間の無駄をなくし、エネルギー密度を向上させる技術。
  • マンガン添加: LFPにマンガンを添加したLMFPなどの新材料を開発し、LFPの安全性を保ちつつ、エネルギー密度を向上させる取り組み。

LFPは、もはや「安いだけ」の電池ではありません。安全性、長寿命、そしてコストパフォーマンスを求めるなら、2025年現在、最も注目すべき選択肢です。

電池の構造は?リチウムイオン電池を構成する4大材料を解説

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リチウムイオン電池がどのようにして電気を貯めたり出したりしているのか、その基本的な仕組みは、たった4つの主要な構成要素で成り立っています。

 

仕組みを理解しておくと、電池の異常(膨張や発熱)がなぜ危険なのかが分かり、安全な取り扱いに繋がります。ここでは、電池の内部で何が起きているのかを分かりやすく解説します。

電池の主役「正極」と「負極」の役割

リチウムイオン電池は、正極(カソード)と負極(アノード)という2つの電極が主役です。

 

正極(カソード)

前述した通り、ニッケルやコバルト、鉄などの金属酸化物が使われます。充電中はリチウムイオンを受け入れ、放電中(電気を使うとき)はリチウムイオンを放出する役割を担います。電池の容量を決定する場所です。

 

負極(アノード)

主にグラファイト(黒鉛)などの炭素材料が使われます。充電中は正極から送られてきたリチウムイオンを受け入れて貯蔵し、放電中はリチウムイオンを正極へと送り出します。電池の寿命や充電速度に影響を与える場所です。

 

この「リチウムイオンが行ったり来たりする」動きによって、電池は魔法のようにエネルギーを蓄え、放出しているわけです。

安全の要!「セパレータ(分離膜)」と「電解液」の働き

正極と負極の間にあって、電池の安全性に最も重要な役割を果たしているのが「セパレータ」と「電解液」です。

 

セパレータ(分離膜)

正極と負極を物理的に隔てている薄い膜です。もしこの2つの電極が直接接触してしまうと、「内部短絡(ショート)」が発生し、一気に大電流が流れて熱暴走の原因になります。

セパレータには非常に小さな穴が開いており、電気を通さない絶縁体でありながら、リチウムイオンだけが通り抜けられるようになっています。安全性が高い電池は、このセパレータの品質や強度が高いことが一つの特徴です。

 

電解液

正極と負極の間でリチウムイオンをスムーズに運ぶための「交通手段」です。水を使ってしまうとリチウムと反応して危険なため、リチウム塩を溶かした「非水溶媒(有機溶媒)」が使われています。

しかし、この有機溶媒が燃えやすいという特性があるため、電池の安全性を高めるために、近年は燃えにくい「難燃性電解液」や、液体を使わない「全固体電池」の研究・開発が世界中で進められています。

セルからパックへ:BMS(バッテリー管理システム)の重要性

前述した通り、単品の「セル」を複数個組み合わせて一つの製品(モバイルバッテリーやEVバッテリー)にしたものが「バッテリーパック」です。

 

このパックを安全かつ高性能に動かすための「頭脳」が、BMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)です。

 

BMSは、以下のことを絶えず監視・制御しています。

  • 各セルの電圧バランス: すべてのセルが均等に充電・放電されるよう調整する。
  • 温度監視: パック全体の温度を監視し、異常があれば充電を停止する。
  • 過電流保護: ショートや異常な負荷がかかった場合に回路を遮断する。
  • 残量計算: 精度の高いバッテリー残量表示を行う。

このBMSの性能こそが、モバイルバッテリーやEVの「安全性」と「使い勝手」を決定づけると言っても過言ではありません。信頼できるメーカーの製品を選ぶことは、高性能なBMSを搭載した製品を選ぶことを意味します。

世界と日本!知っておきたい主要リチウムイオン電池メーカー一覧

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リチウムイオン電池は、今や自動車産業やエネルギー産業の根幹を支える戦略的な製品です。

 

世界中のメーカーが激しいシェア争いを繰り広げており、特に中国、韓国、日本の企業が市場を牽引しています。これらの主要メーカーを知っておくことは、あなたが製品の信頼性を判断する上での大きな基準になります。

世界市場のリーダーたち:CATL、LGES、Samsung SDI

2025年現在、世界のEV用電池市場をリードしているのは、アジア圏の以下の3社です。

 

CATL (Contemporary Amperex Technology Co., Limited) (中国)

EV用バッテリーで世界トップシェアを誇る、中国の巨人です。

  • 強み: コスト競争力と圧倒的な生産能力。特にリン酸鉄系(LFP)電池の技術革新が著しく、世界中の自動車メーカーに供給しています。
  • 特徴的な技術: セルを直接パックに組み込む「セルtoパック」技術で、エネルギー密度を向上させています。

 

LG Energy Solution (LGES) (韓国)

韓国を代表する電池メーカーで、世界第2位のシェアを誇ります。

  • 強み: 三元系(NMC)電池の技術力。特に、薄くて柔軟な「パウチ型」電池の開発に強みがあり、テスラやGMなど、欧米の主要なEVメーカーと提携しています。
  • 特徴的な技術: 高いニッケル比率のNMCセルで、航続距離の長いEVに対応しています。

 

Samsung SDI (韓国)

サムスングループの電池部門で、こちらも世界的な大手です。

  • 強み: 高品質な「角型(プリズム型)」電池に強みがあり、BMWなど欧州の高級車メーカーに多く採用されています。
  • 特徴的な技術: 最新鋭の全固体電池の開発にも力を入れており、次世代電池の分野でも注目されています。

日本を代表するメーカー:パナソニック、村田製作所、GSユアサの強み

日本のメーカーは、世界シェアではやや後塵を拝しているものの、その「品質」と「安全性」に対する信頼性は依然として世界最高水準です。

 

パナソニックエナジー (Panasonic Energy)

リチウムイオン電池を世界で初めて実用化(1991年)した立役者の一つです。

  • 強み: 高性能な円筒形(18650、21700、4680など)電池の開発に強みがあり、特にテスラへの長期的な供給で知られています。
  • 特徴的な技術: ニッケル比率を高めつつ、安全性を両立させる技術に定評があります。

 

村田製作所 (Murata Manufacturing)

ソニーから電池事業を引き継ぎました。

  • 強み: 小型電池や、熱安定性の高いリン酸鉄リチウム系二次電池などに注力しており、特に高性能な円筒形セルや、電子機器向けの小型パック電池に強みを持っています。
  • 特徴的な技術: セル内部の信頼性や寿命に対する品質管理が非常に高いです。

 

GSユアサ (GS Yuasa)

自動車用バッテリーで有名なメーカーで、産業用・車載用リチウムイオン電池にも強いです。

  • 強み: 航空宇宙分野や産業用蓄電池など、高い信頼性が求められる分野で実績が豊富です。
  • 特徴的な技術: 長寿命で大型の産業用リチウムイオン電池パックの設計・製造に長けています。

メーカーの信頼性が「安心」につながる理由

あなたが購入するモバイルバッテリーや電動工具のパック製品に、もしこれらの有名メーカーのセルが使われていることが分かれば、それだけで「安全性」と「公称容量の正確さ」が保証されるようなものです。

 

特にネット通販で単品セルを選ぶ際は、そのセルがどのメーカーによって製造されたものか(例:「パナソニック製セル使用」など)を確認することが、粗悪品を避けるための最も重要な判断基準となります。メーカーの信頼性は、あなたの安全に直結することを忘れないでください。

長持ちさせるために:リチウムイオン電池の正しい使い方と充電方法

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せっかく購入した高性能なリチウムイオン電池ですから、できるだけ長く、最高のパフォーマンスで使いたいですよね。

 

実は、リチウムイオン電池は、使い方を少し意識するだけで、寿命が劇的に変わるという特性を持っています。ここでは、電池のプロが実践している、正しい使い方と充電方法の秘訣をご紹介します。

満充電・完全放電はNG!最適な充電レベルは「30%〜80%」

リチウムイオン電池は、「満充電(100%)」の状態や、「完全放電(0%)」の状態を長時間維持することが、最も劣化を早める原因となります。

 

電池が最も安定する状態

リチウムイオン電池の内部は、電圧が中程度(つまり充電残量が中程度)の時が最も化学的に安定しています。具体的なパーセンテージで言うと、充電残量30%〜80%の間で使うのが、最も電池に優しい使い方です。

 

  • 100%充電の危険性: 満充電の状態が続くと、内部の電極に負荷がかかり続け、劣化(容量の低下)が早まります。
  • 0%放電の危険性: 完全放電すると、過放電状態となり、回復不能な損傷(特に銅箔の溶出など)を受けて、二度と充電できなくなる可能性があります。

そのため、日々の充電は「80%まででやめておく」ことを意識し、残量が少なくなってきたら「30%を切る前に充電する」という習慣をつけると、電池の寿命を大幅に延ばすことができます。最近のスマホやPCには、80%で充電を止める機能が搭載されているものも多いので、ぜひ活用してください。

発熱は劣化のサイン!充電中に熱を持たせない工夫

リチウムイオン電池にとって、「熱」は最大の敵です。温度が高い状態が続くと、電池の内部構造が破壊され、劣化が加速してしまいます。

 

特に「急速充電」を行う際は、通常よりも大きな電流が流れるため、電池が発熱しやすいです。

 

充電中の発熱対策

  • ケースから出す: スマホやモバイルバッテリーを充電する際は、厚手のケースやカバーから外して、熱がこもらないようにしましょう。
  • 涼しい場所で充電: 直射日光の当たる場所や、車内(特に夏場)など、高温になる場所での充電は絶対に避けてください。
  • 充電器を見直す: 極端に安価な充電器は、電流制御が不安定で発熱しやすい場合があります。信頼できるメーカーの充電器を使いましょう。

充電中に製品が「人肌よりも温かい」と感じたら、一旦充電を中断し、冷めてから再開するなどの対策が必要です。熱を避けることが、電池を長持ちさせる最も簡単な方法です。

継ぎ足し充電は気にしなくてOK!メモリー効果がない特性を活かす

少し前のニッケルカドミウム電池などでは、「使い切ってから充電しないと容量が減る」という「メモリー効果」という現象がありました。

 

しかし、リチウムイオン電池には、このメモリー効果がほとんどありません。

 

つまり、残量が50%でも70%でも、いつでも好きな時に充電してOKということです。「継ぎ足し充電」を気にせず行えることが、リチウムイオン電池の大きな利便性の一つです。

ただし、前述した通り、「満充電の状態を長時間放置しない」というルールだけは守ってください。ちょこちょこ充電して、常に30〜80%の状態をキープするのが、電池にとって最高の状態と言えるでしょう。

実は間違ってるかも?リチウムイオン電池の正しい保管方法と注意点

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しばらく使わないリチウムイオン電池(例:冬場の電動工具バッテリー、予備のモバイルバッテリーなど)を、どのように保管していますか?

実は、間違った状態で保管していると、使うときには性能がガタ落ちしていたり、最悪の場合、保管中に発火の危険性を高めてしまったりします。

ここでは、電池の劣化を最小限に抑え、安全に保管するための具体的な方法を解説します。

長期保管のベストな充電残量は「50%前後」

「充電の秘訣」でお話ししたように、リチウムイオン電池は中程度の電圧が最も安定しています。これは保管時も同じです。

 

長期にわたって使用しない場合は、充電残量を約50%(±10%程度)にしておくのがベストです。

 

  • 100%で保管する危険性: 満充電状態で長期間放置すると、内部が高負荷状態となり、電極の劣化が早く進みます。
  • 0%で保管する危険性: 自己放電(自然に電気が抜ける現象)によって残量が0%を下回り、過放電状態になってしまうと、電池が回復不能になり、再充電できなくなることがあります。

特に、半年以上使わない予定のバッテリーは、50%程度まで充電してから保管するようにしましょう。使う直前に満充電すればOKです。

保管場所は「涼しく乾燥した場所」が鉄則

熱が電池の最大の敵であることは、繰り返しお伝えしていますが、これは保管場所にも言えます。

 

避けるべき保管場所

  • 直射日光の当たる場所: 窓際やベランダ。
  • 高温になる場所: 夏場の車内、ストーブの近く、火気の近く。
  • 湿気の多い場所: 結露が発生しやすい冷蔵庫の中(ただし、冷暗所を意味するわけではない)。

保管に適しているのは、「涼しく、乾燥していて、温度変化の少ない場所」です。具体的には、玄関のシューズボックスの上や、リビングの棚の中など、人が快適に感じる程度の温度の場所であれば問題ありません。

 

特に、リチウムイオン電池が搭載されているポータブル電源などは、換気が良く、周囲に燃えやすいものがない場所に置くように心がけましょう。

ショートの危険!金属製品と一緒に保管してはいけない理由

モバイルバッテリーや交換用セルを保管する際、うっかりと鍵や工具などの金属製品と一緒のポケットや引き出しに入れてしまうのは非常に危険です。

 

電池のプラス極とマイナス極が金属を介して接触すると、それが「短絡(ショート)」を引き起こします。ショートすると、一気に大電流が流れて電池が急激に発熱し、発火・炎上する事故につながる可能性があります。

 

保管時の安全対策

  • 個別にケースに入れる: バッテリーの端子部分が露出している場合は、ビニールテープで絶縁したり、専用のプラスチックケースに入れたりして、端子を保護してください。
  • 金属製品と分離: 鍵、ヘアピン、工具、硬貨など、電気を通すものとは必ず分けて保管しましょう。

リチウムイオン電池は、正しく扱えば安全ですが、そのエネルギー密度の高さゆえに、ショートさせた時の破壊力は非常に大きいです。たった一つのミスで大きな事故につながる可能性があることを念頭に置き、保管時は細心の注意を払ってくださいね。

処分に困らない!リチウムイオン電池の正しい廃棄・リサイクル方法

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「もう古くなったから捨てよう」と思った時、リチウムイオン電池は絶対にそのままゴミ箱に捨ててはいけません。

 

不燃ゴミや資源ゴミとして出すと、収集車内や処理施設で他のゴミと混ざってショートし、火災を引き起こす原因となります。実際に、ゴミ収集車やリサイクル工場での火災事故が多発しており、社会的な問題となっています。

私たちは、環境と安全を守るために、正しい方法でリサイクルしなければなりません。

放置は火災の元!なぜリサイクルが必要なのか

リチウムイオン電池は、内部に可燃性の電解液を含んでおり、外部からの衝撃や、金属片との接触によるショート、経年劣化による内部短絡など、様々な原因で発火のリスクを抱えています。

 

正しくリサイクルが必要な理由は、以下の2点です。

 

安全性の確保

適切な回収ルートに乗せることで、電池がショートしたり、高温にさらされたりするリスクを排除できます。回収ボックスに入れる際は、端子部分をビニールテープで絶縁することが推奨されています。

 

希少資源の有効活用

リチウムイオン電池には、コバルト、ニッケル、リチウムといった、非常に貴重で埋蔵量が限られた希少金属が含まれています。これらをリサイクルすることで、資源の枯渇を防ぎ、持続可能な社会に貢献することができます。

JBRC協力店の活用:正しい回収ルートとルール

日本国内では、一般社団法人JBRC(一般社団法人JBRC)という団体が中心となり、小型充電式電池の回収・リサイクルを行っています。

 

JBRCの回収対象

JBRCの回収対象となるのは、以下のマークがついた充電式電池です。

 

対象 具体的な製品 マーク
リチウムイオン電池 モバイルバッテリー、電動工具、デジタルカメラ、コードレス掃除機、電子タバコなどの内蔵・交換用電池 Li-ionマーク
ニッケル水素電池 充電式乾電池(エネループなど)、コードレス電話の子機 Ni-MHマーク

 

回収場所の探し方

JBRCと提携している「協力店」に持ち込むことで、無料で回収してもらえます。協力店は全国に多数あります。

  • 家電量販店: ほとんどの大手量販店(ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラなど)に回収ボックスが設置されています。
  • ホームセンター: DIY製品を扱う大型ホームセンターでも回収を行っている場合があります。
  • 自転車販売店: 電動アシスト自転車のバッテリーは、販売店やメーカーでも回収を受け付けています。

持ち込む際は、必ず電池の端子部分をビニールテープやセロハンテープで覆い(絶縁)、ショートを防ぐ対策をしてから、回収ボックスに入れてください。

自分で分解するのは絶対にやめてください

「中身を見たい」「分解してリサイクル業者に出したい」といった好奇心から、自分でリチウムイオン電池のパックを分解することは絶対にやめてください。

 

電池パックのケースを開ける際に、中のセルを傷つけてしまうと、空気に触れた瞬間に発火するなど、非常に危険な状況を招く可能性があります。

 

リサイクルは、専門の知識と設備を持った業者が行うべき作業です。私たちは、安全に絶縁処理をして、JBRCの回収ルートに乗せることこそが、最も責任ある行動であることを肝に銘じておきましょう。

筆者:どこストア

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