ローソンでマリトッツォが売ってない？幻のスイーツの販売状況と2024年最新トレンド、再販の可能性を徹底調査！

皆さん、こんにちは！トレンドのスイーツ探しに命を懸ける筆者、どこストアです。
数年前、日本中を席巻したイタリア発祥のスイーツ「マリトッツォ」を覚えていらっしゃいますか？あのブリオッシュ生地にたっぷり挟まれた真っ白な生クリームのビジュアルは、まさにスイーツ界の主役でしたよね。
特にコンビニ各社からも登場し、手軽に買えると話題になりましたが、「あれ？最近ローソンで見かけないな…」と感じている方が非常に多いようです。皆さんの検索履歴を見ていても、「ローソン マリトッツォ 売ってない」という声が多数！

本記事では、このローソンのマリトッツォがなぜ姿を消してしまったのか、そして幻となったマリトッツォの製造元や内容物の詳細を徹底的に深掘りしていきます。さらに、マリトッツォの「今」のトレンドや、再販の可能性、そして「どうしても食べたい！」というあなたへのおすすめ購入方法まで、余すところなくお届けします！

もしかしたら、あなたの近所のあの店で、形を変えた「マリトッツォの魂」が眠っているかもしれませんよ。一緒に探してみましょう！

なぜローソンからマリトッツォは消えたのか？ コンビニスイーツの激しい競争の裏側

「マリトッツォを求めてローソンに行ったけど、見つからない…」そんな経験をされた方は少なくないでしょう。なぜ、一時は飛ぶように売れた人気スイーツが、ローソンの定番棚から姿を消してしまったのでしょうか？これには、日本のコンビニスイーツ市場特有の、激しい競争とトレンドサイクルの速さが深く関わっています。

まず、コンビニスイーツは「定番」と「トレンド/限定」の二極化が進んでいます。ローソンの「プレミアムロールケーキ」や「バスチー」のように、ブランドとして確立され、年間を通して安定した需要が見込める商品は「定番」として残ります。しかし、マリトッツォはブームが始まった当初、まさに彗星の如く現れた「トレンド商品」でした。トレンド商品は、その話題性が尽きると同時に、売り上げが急激に落ち込む傾向があります。ローソン側としては、常に新しい刺激を求める顧客のニーズに応えるため、売り上げが下降した商品を潔く棚から外し、次の新商品を導入する必要があります。この入れ替えのスピードは、私たち消費者が想像するよりもずっと速いのです。商品開発チームは、次のブームを虎視眈々と狙っており、マリトッツォが占めていた陳列スペースには、すでに次なる話題作が並んでいる可能性が高いでしょう。

さらに、マリトッツォはその構造上、製造や品質管理に手間がかかるという側面も見逃せません。大量のフレッシュなホイップクリームを使用するため、賞味期限や温度管理が非常に厳しくなります。また、あの美しいフォルムを保ちつつ、全国の店舗へ安定して供給するには、高度な技術とコストが必要です。特に、通常のローソンではなく、ローソンストア100のマリトッツォが注目されていた点から見ても、「安価に」「大量に」「安定して」提供し続けることの難しさが浮き彫りになります。コンビニの棚は有限です。より利益率が高く、管理しやすい、あるいはブームの最先端を行く新商品にその座を譲るのは、ビジネス戦略としては当然の流れと言えるでしょう。

私たちは「売ってない」という現象を目の当たりにしていますが、それは単に商品が失敗したわけではなく、コンビニスイーツの進化の過程で、マリトッツォが「一時代のスター」としての役割を終えた結果と考えるのが自然です。

一過性のブーム終焉と定番化の壁

マリトッツォが日本で大ブレイクしたのは2021年頃。SNS映えする見た目と、たっぷりのクリームというわかりやすい魅力が受け、一気に火がつきました。しかし、多くの「ブーム」がそうであるように、マリトッツォもその熱狂は徐々に落ち着きを見せ始めました。ブームのピークが過ぎた後、商品が市場で生き残るためには、「定番化」という大きな壁を乗り越える必要があります。この「定番化」とは、特定の層だけでなく、幅広い世代の日常の習慣として定着することを意味します。例えば、シュークリームやエクレアのように「無性に食べたくなる」という普遍的なニーズに応えるか、あるいは「プレミアムロールケーキ」のように特定のブランドと結びついた唯一無二の存在になるか、のどちらかです。

マリトッツォの場合、そのインパクトは強烈でしたが、「クリームの量が多い」「手で持って食べると崩れやすい」といった、日常的に食べるには少しハードルの高い要素もありました。加えて、類似商品がパン屋さんやスーパーなど、あらゆる場所から登場したため、「ローソンでなければならない」という強い理由付けが難しくなってしまいました。つまり、ブームは起こせても、日々の食卓に溶け込む「日常のスイーツ」になるには至らなかったのです。ローソンが次に投入する新商品も、この「定番化の壁」を意識して開発されていることは想像に難くありません。

ただし、この「定番化の壁」にぶつかった商品が、完全に消滅するわけではありません。クリスマスやバレンタインなどの特別な季節に、限定フレーバーのマリトッツォとして復活する可能性は十分にあります。その時は、きっとまた大きな話題になるでしょう。我々どこストアは、その情報をいち早くキャッチできるよう、常にアンテナを張っておきます！

【マリトッツォの定番化を阻んだ要因】

要因	詳細
ビジュアル特化	SNS映えを意識しすぎた結果、日常食としての利便性に欠けた。
クリームの量	魅力的だが、食後の満足度が高すぎて、毎日食べる習慣にはなりにくい。
競合の多さ	コンビニ以外（パン屋、ファミレス、専門の通販）でも販売され、独自性が薄れた。
持ち運び	形が崩れやすく、移動中の購入やオフィスでの軽食には不向きだった。

この壁を乗り越えて、もしマリトッツォが再販されるとしたら、きっと「ミニサイズ化」や「フルーツソースの変更」など、何らかの進化を遂げて登場するはずです。

製造・供給体制とコストの問題

スイーツが売れるということは、私たち消費者にとっては嬉しい限りですが、製造・供給側から見ると、それは「安定供給」という名の大きなプレッシャーとなります。特にマリトッツォの場合、その製造工程にはいくつかのネックがありました。

まず、主役であるホイップクリームの取り扱い。マリトッツォは、一般的なパンや菓子と比べて、生クリームの使用量が非常に多いのが特徴です。生クリームは鮮度が命であり、大量に仕入れて全国の製造ラインで均一に品質を保つのは、並大抵の努力ではありません。また、あのぷっくりとした美しいドーム型のクリームを、一つ一つ手作業に近い形で丁寧に挟み込む工程も、生産効率を考えた時に大きな課題となります。機械で自動化しようにも、クリームの充填や仕上げの繊細さが求められるため、完全にオートメーション化するのは難しいと言われています。

次に、コストの問題です。2021年の発売当時と比べ、現在（2024年）は、パンの主原料である小麦粉や、クリームに使われる乳製品の価格が世界的に高騰しています。ローソンストア100の当時108円（税込）という価格は、破格中の破格でした。この価格帯で、あの品質とボリュームを維持し続けるのは、企業努力だけでは限界があるのが現実です。もし今、当時の品質で再販しようとすれば、販売価格は確実に上昇するでしょう。しかし、消費者は「マリトッツォは100円台で買えるスイーツ」というイメージを持っているため、値上げは販売数に直結してしまいます。この「価格維持のジレンマ」も、ローソン（およびローソンストア100）がマリトッツォの販売を継続できなかった大きな理由の一つと考えられます。

安定した供給を続けるには、安定した品質と、適正な価格が必要です。マリトッツォは、このバランスを取るのが非常に難しい、デリケートなスイーツだったと言えますね。

季節限定・地域限定品としての戦略

マリトッツォがレギュラー商品として定着しなかった背景には、コンビニエンスストア側の「戦略的な判断」も深く関わっています。これは、マイナスな意味ではなく、むしろ「商品をより魅力的に見せるためのポジティブな選択」とも言えるのです。

もしマリトッツォが常に店頭に並んでいたら、私たちはどう感じるでしょうか？おそらく「いつでも買えるから、また今度でいいか」と、その特別感を失ってしまうでしょう。コンビニ業界は、この「限定感」を巧みに利用して、顧客の購買意欲を高める戦略を常に展開しています。マリトッツォは、まさにこの「限定品」としての役割を見事に果たしました。短期間で集中して販売し、「今買わなければ！」という飢餓感を生み出すことで、発売直後の爆発的な売上を確保したのです。そしてブームが落ち着いた後も、「またいつか限定で出るかも」という期待感を顧客に残しておくことで、ローソンブランドへの関心を持続させる効果があります。

また、地域限定品としての販売も考えられます。例えば、「北海道産の牛乳を使用したクリーム」や「沖縄のフルーツを使ったマリトッツォ」など、特定の地域の食材やニーズに合わせて販売することで、全国一律の供給網で抱えるリスクを分散させることができます。これにより、小ロットでも高い話題性を維持することが可能になります。私たちが「売ってない」と感じるのは、この戦略的な「品薄状態」が生み出されているからかもしれません。これは、マリトッツォが持つ「スター性」を最大限に活かした、賢い販売戦略だと筆者は見ています。

結論として、ローソンからマリトッツォが消えたのは、決して人気がなくなったわけではなく、より強いインパクトを持つ次の限定品に道を譲った、戦略的な棚替えの結果と考えるのが妥当でしょう。次に登場する時には、どんな進化を遂げているのか、今から楽しみですね！

幻となったローソンストア100のマリトッツォ！驚異の100円マリトッツォの魅力

通常のローソンではマリトッツォの継続的な販売は確認されませんでしたが、「ローソンストア100」で販売されていた「マリトッツォ」こそが、多くの人の記憶に残る伝説のスイーツです。この100円マリトッツォが、当時の私たちにどれほどの衝撃を与えたか、今振り返っても鳥肌が立ちますね。

2021年6月9日に発売されたローソンストア100のマリトッツォは、その名の通り、驚きの108円（税込）という価格設定でした。当時の一般的なパン屋さんや他のコンビニで販売されていたマリトッツォは、安くても200円台後半から、専門店では500円を超えるものも珍しくありませんでした。そんな中で登場した100円マリトッツォは、まさに価格破壊。SNSでは「本当に美味しいの？」「クリームが少ないんじゃない？」といった半信半疑の声と同時に、「見つけたら即買い！」という熱狂的な声が飛び交い、瞬く間に完売・品薄状態となりました。

筆者（どこストア）も、発売当初は何度もローソンストア100をハシゴしたものです。朝早く行っても売り切れていることが多く、「幻のスイーツ」と呼ばれるにふさわしい状況でした。この爆発的なヒットの背景には、単に価格が安いというだけでなく、その「価格以上のクオリティ」があったからに他なりません。当時のレポートによると、発売後わずか5日間で12万6千個を販売したというから、その人気ぶりがうかがえます。

通常のローソンが扱う「Uchi Café SWEETS」のようなプレミアム路線とは一線を画し、ローソンストア100は「気軽に試せるトレンドスイーツ」というポジションを見事に確立しました。この成功は、マリトッツォというスイーツの認知度を一気に高め、「ブームの火付け役」としての役割を果たしたと言っても過言ではありません。もはや、この100円マリトッツォなしに、日本のマリトッツォブームは語れないのです。

発売当時の社会現象と大ヒットの背景

ローソンストア100のマリトッツォが巻き起こした社会現象は、単なるスイーツのブームを超えていました。これは、「手軽さ」と「贅沢感」という二律背反する要素を完璧に両立させた結果だと思います。

当時、マリトッツォは、まだ一部の意識の高い層やスイーツ専門店でしか知られていない存在でした。高価で、ちょっと敷居が高いイメージがあったのです。しかし、ローソンストア100が100円という価格で提供したことで、老若男女、誰もが気軽に「マリトッツォ体験」をすることが可能になりました。これが一つ目の大きなヒット要因です。お小遣いの少ない学生さんでも、ちょっとした休憩時間に試してみたい会社員でも、気軽に手に取れる価格帯。これがマーケットを一気に拡大させました。

二つ目の要因は、「価格以上の満足度」です。100円だからといって、決して安っぽい作りではなかったのです。パン生地はしっかりとブリオッシュの風味があり、クリームもたっぷり。もちろん、専門店の高級クリームのような複雑な味わいではありませんが、価格を考えれば十分に美味しく、食べた人を裏切らないクオリティでした。この「期待値を超える」体験が、SNSでのポジティブな口コミを加速させ、「これは本当に100円でいいのか？」という驚きとともに、爆発的に拡散されていきました。人々の購買行動を分析すると、価格が安いだけでなく、「良いものを安く買えた」という「お得感」や「勝利感」が、強いリピートを生むことが分かっています。ローソンストア100のマリトッツォは、まさにこの心理を突いた大成功事例と言えるでしょう。

【マリトッツォヒットの要因分析】

要素	専門店のマリトッツォ	ローソンストア100のマリトッツォ
価格	高価（300円〜500円超）	超低価格（108円）
入手の難易度	専門店に行く必要あり	近所のローソンストア100で手軽に
ターゲット層	スイーツ好き、トレンド層	老若男女、全世代
話題性	高い	価格破壊による爆発的な話題性

このブームが、他のコンビニや製パンメーカーの参入を促し、日本全体でのマリトッツォブームを決定づけたことは間違いありません。

誰もが驚いた価格と内容物のクオリティ

108円という価格設定は、ローソンストア100の戦略の核でした。しかし、多くの人が心配したように「安かろう悪かろう」では、一度の話題で終わってしまいます。このマリトッツォが伝説となったのは、低価格にもかかわらず、本質的なマリトッツォの魅力を損なっていなかったからです。

（１）パン生地の秘密
マリトッツォのパンは、イタリアでは「ブリオッシュ」という、バターと卵をたっぷり使った贅沢なパンが使われます。ローソンストア100のマリトッツォのパン生地も、しっとりとしていながら、ふんわりとした食感を保っていました。パサつきがなく、クリームとの一体感が感じられる、まさに「ブリオッシュ風」の生地に仕上がっていたのです。このパン生地のクオリティを100円台で実現できたのは、後述する製造元の存在が非常に大きいと言えるでしょう。

（２）たっぷりのホイップクリーム
マリトッツォの最大の魅力は、なんといっても溢れんばかりのホイップクリームです。ローソンストア100の商品も、決してクリームの量が控えめではありませんでした。見た目のインパクトをしっかりと意識し、パンからこぼれ落ちそうなくらいのクリームが挟み込まれていました。このクリームは、甘さ控えめで口どけが良いのが特徴でした。甘すぎないことで、パン生地の風味や、場合によってはトッピングされたフルーツの味を邪魔せず、最後まで飽きずに食べられるように調整されていたのです。この「甘すぎない」という点は、日本のスイーツ市場で成功するための重要なポイントです。

さらに、この商品のカロリーは308kcal/個でした。これは、一般的な菓子パンや、他のコンビニスイーツと比べても極端に高いわけではありません。例えば、ローソンの定番スイーツである「プレミアムロールケーキ」がだいたい200kcal前後ですから、ボリュームがあるマリトッツォとしては、非常に優秀な数値と言えます。このカロリー情報も、ダイエットを意識する層にとっては「たまの贅沢なら許容範囲」と判断され、購入を後押しする要因になったと考えられます。

安さだけでなく、味とボリューム、そしてカロリーのバランスが、この100円マリトッツォを伝説に押し上げたのです。

製造元は「山崎製パン株式会社」！日本のパン業界の巨人が生み出した傑作

ローソンストア100のマリトッツォが、なぜあんなにも高いクオリティを維持しながら、100円台という驚異的な価格で提供できたのか？その答えは、商品のパッケージ裏に記載された「製造者」にありました。それは、誰もが知る日本のパン業界の巨塔、山崎製パン株式会社（ヤマザキ）です！

この事実を知った時、筆者は思わず膝を打ちました。ヤマザキといえば、「ランチパック」や「ロイヤルブレッド」など、私たちの食卓には欠かせない商品を長年提供し続けている、圧倒的な製造力と流通網を持つ企業です。そのヤマザキが、マリトッツォのようなトレンドスイーツの製造を担っていたという事実は、ローソンストア100の戦略の深さを物語っています。

ヤマザキの強みは、その「スケールメリット」にあります。全国に張り巡らされた自社の工場と配送システムは、他の追随を許しません。これにより、原材料の大量一括仕入れによるコストダウン、そして製造から店舗への配送までを一貫して行うことによる、効率化が図れます。マリトッツォのようなデリケートな商品を、全国のローソンストア100へ安定して、かつ低コストで供給できたのは、まさにヤマザキの企業力があってこそなのです。

この提携は、消費者にとっても大きなメリットがありました。ヤマザキの長年培ってきた「パンづくりの技術」が、マリトッツォの要であるブリオッシュ風生地の美味しさを担保し、大量生産品でありながら、手作りのようなふっくらとした食感を実現していました。多くの人が「100円なのに美味しい！」と驚いたのは、その裏に「ヤマザキ」というプロフェッショナルの存在があったからに他なりません。マリトッツォブームは、ヤマザキの技術力と、ローソンストア100の企画力が融合した、コンビニスイーツ史に残る成功事例と言えるでしょう。

ヤマザキの持つ圧倒的な製造力と流通網

山崎製パンが持つ「圧倒的な製造力と流通網」は、マリトッツォのような短期間で爆発的に売れるトレンド商品の製造において、決定的な強みとなります。

製造力について言えば、ヤマザキはパン生地の仕込みから焼き上げ、そしてフィリング（クリームなどの中身）の充填まで、高度に自動化されたラインを持っています。特に、マリトッツォのような繊細なパン生地を、均一な品質で大量に焼き上げる技術は、世界的に見てもトップクラスです。また、クリームの充填についても、商品の「顔」となるクリームの見た目を美しく保ちながら、崩れにくいように充填する技術は、長年の経験とノウハウの賜物です。これらの技術があって初めて、108円という価格で、一つ一つが商品として通用するマリトッツォを供給することが可能になるのです。

そして、もう一つの核となるのが「流通網」です。パンは日持ちしない商品であり、鮮度を保ったまま、日本の隅々まで毎日届ける必要があります。ヤマザキは、自社のトラックと倉庫を駆使し、独自の物流ネットワークを構築しています。これにより、製造されたマリトッツォは、工場から直接、あるいはわずかな中継地点を経由して、すぐにローソンストア100の店舗に届けられます。この迅速な配送システムが、マリトッツォの「鮮度の高さ」を保ち、私たち消費者が最も美味しい状態で食べられることを保証してくれていたのです。この強大な「製造と流通のインフラ」は、他のスイーツメーカーや中小のパン屋では、決して真似のできない、ヤマザキならではの資産と言えるでしょう。

このマリトッツォの成功は、単なる商品力だけでなく、日本の食品インフラの底力を見せつけた事例でもあったのです。

ヤマザキのマリトッツォがコンビニ各社に与えた影響

ローソンストア100が山崎製パンと組んでマリトッツォを大ヒットさせたことは、日本のコンビニスイーツ市場全体に、計り知れない影響を与えました。

（１）「安くて美味しいトレンド品」の基準確立：
100円台でハイクオリティなマリトッツォが発売されたことで、他のコンビニやスーパーは、「トレンドスイーツは高価であるべき」という固定概念を打ち破られました。これにより、「価格は抑えつつも、話題性があり、一定以上の美味しさを保つ」という、新しいトレンドスイーツの基準が確立されました。これ以降、各社はよりコストパフォーマンスの高い商品を求め、製造メーカーとの連携を強化することになります。

（２）パン業界とスイーツ業界の融合加速：
マリトッツォは、パンとスイーツの境界線にある商品です。ヤマザキというパン業界の最大手が本格的な参入を果たしたことで、それまでスイーツ専門店や菓子メーカーが主導していたコンビニスイーツ市場に、パンメーカーの技術とノウハウが流れ込むことになりました。これにより、パンをベースにした新しいスイーツ（例：クロワッサン生地を使ったスイーツなど）の開発が加速し、市場全体が活性化するきっかけとなりました。

（３）ローソンストア100のブランド力向上：
通常のローソンではなく、ローソンストア100という業態がトレンドの中心になったことも、大きな影響です。これにより、ローソンストア100は「単なる100円均一のコンビニ」というイメージから、「掘り出し物や話題のトレンド品が見つかる」という魅力的な小売店としてのブランドイメージを向上させることができました。他社もこれに倣い、それぞれのサブブランドやプライベートブランドでのトレンド品投入に力を入れるようになりました。

このように、ヤマザキ製パンのマリトッツォは、単なる一商品ではなく、コンビニスイーツ市場の競争軸を変え、業界全体の進化を促すきっかけとなったのです。

ローソンストア100版マリトッツォの「内容物」と「特徴」を徹底分析

ここで、ローソンストア100で販売されていた、あのマリトッツォの具体的な内容物と、その特徴について深掘りしてみましょう。当時、詳細な原材料リストは公開されていませんでしたが、食べログやブログなどのレビュー、そして製造元である山崎製パンの技術から、その構造を推測することができます。この分析は、今後もし再販された時に「どこが変わったのか？」を判断する上でも非常に重要になりますよ。

ローソンストア100のマリトッツォは、シンプルな構造ながらも、そのバランスが絶妙でした。構成要素は主に以下の2つです。

（１）ブリオッシュ風パン生地
（２）ホイップクリーム（プレーン）

このシンプルな組み合わせだからこそ、一つ一つのクオリティが問われます。前述の通り、製造はヤマザキ製パン。そのため、パン生地は、通常の菓子パンよりもバターや卵の配合が多く、リッチでしっとりとした食感が特徴でした。この「リッチさ」が、100円台のパンとは思えない高級感を演出していました。また、マリトッツォは本来、パンを軽くトーストしてからクリームを挟むこともありますが、この商品は、そのまま美味しく食べられるように、パン生地の水分量や密度が絶妙に調整されていたはずです。これにより、クリームとパンが口の中で溶け合う「一体感」が生まれていました。

クリームは、純粋な生クリームと、それを安定させるための調整されたホイップクリームのブレンドだと推測されます。大量生産品であるため、純生クリーム100%は難しいですが、ヤマザキの高い技術力で、口どけの良さと、時間が経ってもへたれにくい安定性を両立させていたと思われます。甘さは控えめながらも、たっぷりの量で満足感を与える、計算し尽くされた配合だったと言えるでしょう。

308kcalのカロリーは高い？低い？スイーツとしての評価

ローソンストア100のマリトッツォのカロリーは308kcal/個でした。この数値について、皆さんはどう感じますか？「意外と低い」と感じる方もいれば、「やっぱり高い」と感じる方もいるでしょう。ここでは、他の一般的なスイーツと比較しながら、この308kcalという数値が持つ意味を考えてみます。

【主要スイーツとのカロリー比較（目安）】

スイーツ名	カロリー（目安）
ローソンストア100 マリトッツォ	308kcal
ローソン プレミアムロールケーキ	約200kcal
コンビニのエクレア（1本）	約250〜300kcal
ショートケーキ（1カット）	約350〜400kcal
一般的な菓子パン（クリームパンなど）	約300〜450kcal

この比較表を見ていただくと、マリトッツォは、見た目のボリューム感の割に、カロリーが抑えられていることが分かります。特にショートケーキの1カットよりも低く、一般的な菓子パンと同等か、それよりも低い水準です。これは、マリトッツォが「生クリームの塊」のように見えますが、実際にはクリームの中に空気（ホイップ）が多く含まれており、パン生地自体も極端に重いものではないためです。また、甘さが控えめに調整されていたことも、砂糖の量を抑え、結果的にカロリーコントロールに繋がっていたと考えられます。

当時のマリトッツォブームは、その見た目の「罪悪感」も一つの魅力でしたが、この308kcalという数値は、「見た目のインパクトと、健康意識のバランス」を取った、非常に戦略的な数値だったと言えます。ちょっとした自分へのご褒美として、罪悪感を持ちすぎずに楽しめる、絶妙なラインを突いていたのです。

ブリオッシュ生地とホイップクリームの黄金比

マリトッツォの美味しさの鍵は、間違いなく「ブリオッシュ生地」と「ホイップクリーム」の比率にあります。ローソンストア100のマリトッツォは、この「黄金比」を、低価格帯で実現していました。

一般的なマリトッツォの専門店では、パン生地の風味が非常に豊かで、クリームは濃厚なマスカルポーネなどをブレンドすることが多いです。一方、ローソンストア100のマリトッツォは、ヤマザキの技術で、パン生地が「主役のクリームを引き立てるための名脇役」に徹していました。

【黄金比の秘密】

• クリームの量：
  見た目のインパクトを最優先し、パン生地の容積よりも明らかにクリームの体積が大きい状態を保っていました。これにより、一口目から最後まで、濃厚なクリームの風味を楽しむことができました。
• パン生地の食感：
  ブリオッシュ風生地は、適度なしっとり感と弾力があり、クリームの重みに負けない構造になっていました。しかし、硬すぎず、口の中でクリームと一緒にスッと溶けるような口どけを実現していました。
• 味のバランス：
  パン生地が持つ卵とバターの優しい風味と、控えめな甘さのクリームが、お互いを邪魔することなく調和していました。専門店のようにオレンジピールなどのアクセントがない分、ストレートに「クリームとパンの美味しさ」を追求した、潔い設計だったと言えます。

この黄金比は、多くの消費者が求める「理想のマリトッツォ像」を具現化したものであり、このバランスこそが、低価格でありながら高いリピート率を生んだ最大の理由でしょう。シンプルであるからこそ、基本のクオリティとバランスが非常に重要になる、ということを教えてくれる商品でした。

マリトッツォブームは終わったのか？現在のスイーツトレンドとの比較

マリトッツォが棚から消えた今、「ブームは完全に終わったの？」と疑問に思う方も多いでしょう。結論から言えば、マリトッツォの「爆発的なブーム」は一旦落ち着きましたが、その「影響」と「進化」は、現在のスイーツトレンドの中に息づいています。スイーツの流行は、常に循環しており、一つのブームが終わると、その要素を受け継いだ次のブームが生まれるのが常です。

マリトッツォブームの最大の功績は、私たち消費者に「たっぷりのフレッシュなクリームを楽しむ」という新しいスイーツ体験を提供したことです。それまでの日本のスイーツは、繊細なデコレーションや複雑な層構造を重視する傾向がありましたが、マリトッツォは「クリームの量とインパクト」という、極めてシンプルな魅力を提示しました。この「クリーム特化型」のトレンドは、現在の様々なスイーツに受け継がれています。

例えば、最近流行している「生ドーナツ」や「生カヌレ」、さらには「純生クリームパン」といった商品は、マリトッツォから派生したと言っても過言ではありません。これらはすべて、「柔らかい生地」と「口どけの良い生クリーム」というマリトッツォの成功要素をベースに、さらに食べやすさや新しい食感を加えた進化系です。マリトッツォは「パン」のカテゴリでしたが、生ドーナツは「揚げ菓子」、生カヌレは「焼き菓子」と、形態を変えながら、クリームの美味しさを追求する流れは続いているのです。

ブームは去っても、その本質は生き続ける。これが、マリトッツォが現代スイーツに残した遺産です。次に流行するスイーツも、きっとどこかにマリトッツォのDNAを持っているはずですよ。

カヌレ、クロッフルなど次なるブームの台頭

マリトッツォが第一線を退いた後、スイーツ界の主役の座は、次々と新しいトレンド商品に引き継がれています。その代表格が「カヌレ」や「クロッフル」でしょう。

（１）カヌレ（Canelé）の再燃：
フランスの伝統菓子であるカヌレは、以前から存在していましたが、近年になって専門店が続々とオープンし、再ブームを巻き起こしています。その魅力は、「外側のカリッとした食感」と「内側のモチッとした食感」のコントラストです。マリトッツォが「柔らかなクリーム」で勝負したのに対し、カヌレは「食感のコントラスト」で差別化を図りました。特に、小さくて持ち運びやすく、手土産にも適している点も、現代のニーズにマッチしたと言えます。

（２）クロッフル（Croffle）の登場：
クロッフルは、「クロワッサン」の生地を「ワッフル」メーカーで焼いた、韓国発祥のハイブリッドスイーツです。クロワッサンのバター風味とサクサク感、そしてワッフルのモチモチ感が同時に楽しめるのが特徴です。これもまた、新しい「食感」の発見がブームを牽引した例です。トッピングには、もちろん生クリームやアイスが使われることが多く、ここにもマリトッツォが作った「クリーム贅沢使い」の文化が受け継がれています。

【ブームの変遷と要素】

トレンドスイーツ	ブームの核となる要素	マリトッツォとの関係
マリトッツォ	「クリームの量」と「ビジュアル」	-（原点）
カヌレ	「食感のコントラスト」と「専門性」	「繊細さ」を重視する方向へ変化
クロッフル	「ハイブリッドな食感」と「アレンジ性」	「クリーム贅沢使い」の文化を継承
生ドーナツ	「ふんわり食感」と「クリームの口どけ」	「柔らかい生地＋クリーム」の進化系

スイーツの流行は、単に商品が変わるだけでなく、「何に感動するか」という消費者の価値観の変化を反映しているのです。

クリーム系スイーツの現在の人気ランキング

マリトッツォブームが去ったとはいえ、クリーム系スイーツの人気が衰えることはありません。むしろ、より洗練された形で進化し、私たちを楽しませてくれています。現在のコンビニや専門店で人気を集めている「クリーム系」スイーツの傾向を見てみましょう。

（１）進化系シュークリーム・エクレア：
定番中の定番であるシュークリームやエクレアは、クリームの進化が止まりません。「純生クリーム」や「カスタード＆生クリームのダブルフィリング」など、より濃厚でフレッシュなクリームを追求する流れがあります。特に、生地をパリパリにしたり、食感を工夫したりすることで、マリトッツォに負けないインパクトを出しています。

（２）純生クリーム専門店の台頭：
「生クリームが主役」をコンセプトにした専門店が増えています。これは、マリトッツォが切り開いた市場と言えます。これらの専門店では、脂肪分の異なるクリームをブレンドしたり、牛乳の産地にこだわったりと、クリームそのものの質を高めることに特化しています。生クリームをパンやクレープでシンプルに包んだだけの、潔い商品が人気です。

（３）台湾カステラ・シフォンケーキ：
軽くてふわふわな生地に、たっぷりのクリームを添える「台湾カステラ」や「シフォンケーキ」も、クリーム好きにはたまりません。これは、マリトッツォの「ボリューム感」を「軽やかな食感」に置き換えた進化系と見ることができます。クリームをたっぷり食べたいけれど、重たいのはちょっと…というニーズに応える形です。

マリトッツォは、「クリームをパンに挟む」という形式でしたが、現在のトレンドは「クリームをどう表現するか」という本質に立ち返っていると言えます。ローソンのスイーツ棚を見ても、クリームの美味しさを前面に出した商品が非常に増えていることが確認できます。

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ローソンで見かける「マリトッツォ風」の代替商品を探せ！

「ローソンのマリトッツォはもう売ってないのね…」と肩を落とすのはまだ早いです！マリトッツォが棚から消えたとしても、その遺伝子を受け継いだ、「マリトッツォ風」の要素を持つスイーツやパンは、現在のローソン（マチのほっとステーション）の棚にひっそりと並んでいる可能性があります。

私たちがマリトッツォに求めていた要素は何でしょうか？

1. たっぷりのホイップクリームによる贅沢感 2. しっとりとしたパン生地との一体感 3. SNS映えする可愛らしい見た目

これらの要素をヒントに、現在のローソンのラインナップから「マリトッツォの魂」を持つ商品を探してみましょう。例えば、ローソンのパンコーナーで並ぶ「〇〇＆ホイップ」といった名前の菓子パンは、クリームの量こそマリトッツォには及びませんが、ヤマザキ製パンなどの製造技術が活かされた、質の高いパン生地とクリームの組み合わせを楽しむことができます。

また、スイーツコーナーに目を向けると、カップに入ったタイプのスイーツにも注目です。「わらびもち」や「どら焼き」などの和菓子に生クリームを組み合わせた「ハイブリッドスイーツ」は、マリトッツォが切り開いた「和洋折衷」のブームを引き継いでいると言えます。特に、「クリームを楽しむ」という本質においては、これらの商品もマリトッツォに負けない満足感を提供してくれるはずです。

マリトッツォそのものはなくても、ローソンは常に新しい「驚き」と「美味しさ」を提供し続けています。諦めずに、マリトッツォに代わるあなたのお気に入りを見つけてみてください。

マリトッツォの要素を持ったローソン最新スイーツ

ローソンの「Uchi Café SWEETS」から発売される新商品の多くは、マリトッツォの成功要因を何らかの形で取り入れています。ここでは、特にマリトッツォの要素を感じさせる商品タイプをいくつかご紹介します。

（１）「クリーム特化型」のカップスイーツ：
マリトッツォの「クリームの量」をカップスイーツで再現した商品です。例として、「生〇〇」や「クリーム好きのための〇〇」といったネーミングで、スプーンで食べるクリームの贅沢感を追求しています。パン生地の代わりに、スポンジやクッキー生地を少量使用し、主役のクリームを際立たせる構造になっています。

（２）「生地が進化」したパン系スイーツ：
パンコーナーの商品ですが、ブリオッシュのようにリッチな生地を使った商品も増えています。例えば、デニッシュ生地やブリオッシュ生地をベースに、フルーツやナッツ、そしてたっぷりのカスタードクリームなどを組み合わせた商品です。これは、マリトッツォの「パン生地のクオリティ」という要素を受け継いでいます。

（３）「和×クリーム」のハイブリッド：
マリトッツォが「イタリア×パン」のハイブリッドだったように、ローソンでは和菓子とクリームを組み合わせた商品が人気です。「生クリームどら焼き」や「生クリーム大福」などは、マリトッツォとは全く違う見た目ですが、「和風のモチモチ生地」と「洋風のフレッシュクリーム」の組み合わせが、マリトッツォの持つ「異文化の融合」という魅力を再現しています。

これらの商品を試してみると、マリトッツォが持つ「新しい組み合わせの楽しさ」や「クリームの満足感」を、形を変えて感じることができるはずです。ローソンに行った際は、ぜひパンとスイーツ、両方のコーナーをチェックしてみてください。

濃厚なクリームを楽しめるパン系商品

マリトッツォロスを埋めるには、やはり「濃厚なクリーム」が不可欠です。ローソンのパンコーナーには、マリトッツォの製造元である山崎製パンをはじめ、大手メーカーが製造する、クリームが主役のパンが多数並んでいます。

特に注目すべきは、「ホイップクリーム」や「ミルククリーム」をたっぷり使用した商品です。

【ローソンで探すマリトッツォ代替パン】

代替パンの種類	マリトッツォとの共通点
生クリームパン	口どけの良い純粋な生クリームが主役。パン生地は柔らかいものが多い。
ミルクフランス	硬めのパン生地が多いが、練乳やミルククリームが濃厚で、クリームの満足度が高い。
ホイップメロンパン	甘いビスケット生地と中のホイップクリームが、甘いパンとクリームの組み合わせを再現。
デニッシュ系のパン	バターをたっぷり使ったリッチな生地が、マリトッツォのブリオッシュ生地に近い風味を持つ。

これらのパンは、マリトッツォのようなオープンサンド形式ではありませんが、パンとクリームのハーモニーという本質的な魅力を持っています。特に、冷蔵ケースではなく常温のパンコーナーに置かれている商品の中にも、製造技術の進化により、以前よりも格段に美味しいクリームが使われているものが増えています。

もし、マリトッツォに一番近いものを探すなら、常温パンの中でも「ホイップクリーム」が使用され、「ふんわり感」を謳っている商品を選ぶのがおすすめです。常温保存できるホイップクリームは、生クリームとは異なりますが、ヤマザキなどの技術によって、非常に口どけの良いものが開発されています。ぜひ、成分表示を見て、マリトッツォと同じ製造元のパンを探してみるのも楽しいかもしれませんよ。

他のコンビニ（セブン-イレブン・ファミマ）のマリトッツォ販売履歴

マリトッツォブームは、ローソンストア100だけでなく、もちろん他の大手コンビニも巻き込みました。セブン-イレブンやファミリーマート（ファミマ）も、それぞれ独自の戦略でマリトッツォを市場に投入しています。これらの他社の動向を知ることで、ローソン（マチのほっとステーション）がマリトッツォを定番化しなかった理由が、より明確に見えてきます。

（１）セブン-イレブン：
セブン-イレブンは、自社ブランドの「セブンスイーツ」としてマリトッツォを販売しました。セブン-イレブンのマリトッツォは、どちらかというと「高級感と本格感」を追求した印象が強いです。価格帯もローソンストア100よりも高く設定され、パン生地やクリームの素材にこだわった、大人向けのスイーツとしての立ち位置でした。セブン-イレブンは、一つ一つの商品のクオリティを重視する傾向があるため、大量生産・低価格路線を避けたと考えられます。短期間で販売を終了した背景には、製造コストや品質維持の難しさがあったと推測されます。

（２）ファミリーマート：
ファミリーマートも、マリトッツォブームに乗って商品を投入しました。ファミマは、新商品で「話題性」と「食べやすさ」を両立させるのが得意です。マリトッツォも、手軽に食べられるサイズ感や、クリームのフレーバーに工夫を凝らすなど、ファミマらしいアプローチが見られました。ファミマの場合も、ブームが落ち着いた後、すぐに次のトレンドスイーツに棚を明け渡しました。これは、ファミマのスイーツ戦略が「常に新しいものを投入し続ける」という点にあるため、マリトッツォにこだわらず、市場の鮮度を優先した結果と言えるでしょう。

どのコンビニも、マリトッツォを「一時的なトレンド商品」として扱い、市場の熱が冷めたと判断した時点で撤退しています。この共通の行動パターンから、マリトッツォが「定番スイーツ」として定着するには、何らかの根本的な課題があったことが裏付けられます。

各社のマリトッツォ戦略の違い

コンビニ各社のマリトッツォ戦略は、それぞれのブランドイメージやターゲット層を反映しており、非常に興味深いものでした。

【コンビニ各社のマリトッツォ戦略比較】

コンビニ名	主な戦略	ターゲット層	結果
ローソンストア100	「価格破壊」と「話題性」	全世代、低価格志向	爆発的なヒット、ブームの火付け役
セブン-イレブン	「高品質」と「本格感」	スイーツの質にこだわる層	高評価も、継続的な販売は困難
ファミリーマート	「手軽さ」と「フレーバーの多様性」	若年層、新しいもの好き	話題作りには成功、迅速な撤退

ローソンストア100が「価格」で勝負したのに対し、セブン-イレブンは「質」で勝負、ファミマは「多様性」で勝負した、とまとめられます。この中で、最も大きなインパクトを残したのは、やはりローソンストア100の108円マリトッツォでした。

この戦略の違いは、各社がマリトッツォをどのように捉えていたかを物語っています。ローソンストア100は「話題性のあるコスパ最強のパン」として、セブン-イレブンとファミマは「期間限定の本格スイーツ」として位置づけていたと言えるでしょう。このため、ローソンストア100のマリトッツォが再販された場合、それはパンコーナーに並ぶ可能性が高いと筆者は予測しています。

セブンイレブン・ファミマのマリトッツォ販売履歴をGoogle検索で見てみる

現在のコンビニ各社のパンコーナーと類似商品

マリトッツォブームが去った現在、コンビニ各社のパンコーナーには、マリトッツォの代わりに、クリーム系のパンやスイーツが多数並んでいます。これは、マリトッツォが残した「クリーム贅沢使い」の文化が、パンカテゴリに定着したことを示しています。

（１）ローソン：
ローソンのパンコーナーでは、ヤマザキ製パンが製造する「生クリーム」を使用した商品や、「ミルククリーム」をたっぷり挟んだパンが継続的に人気を集めています。特に、季節ごとにフルーツやチョコなどのフレーバーが変わるホイップパンは、マリトッツォの代替品として十分に満足できるクオリティです。パン生地の進化も目覚ましく、ブリオッシュに近いリッチな生地を使った商品が増えています。

（２）セブン-イレブン：
セブン-イレブンは、パンコーナーでも「金のシリーズ」のような高品質なパンに力を入れています。クリームパンやあんバターパンなど、シンプルな商品でも素材にこだわったものが多く、マリトッツォとは違う「素朴な美味しさ」を追求しています。

（３）ファミリーマート：
ファミマは、惣菜パンと菓子パンの両方で、常に新しい商品を投入しています。特に、人気YouTuberや有名店とのコラボ商品が多く、その中には濃厚なクリームやカスタードをたっぷり使った商品が見られます。マリトッツォのような「話題性」を重視する傾向は、パンコーナーにも健在です。

マリトッツォの姿はなくても、パンの進化は止まりません。どのコンビニのパンコーナーも、マリトッツォブームを経たことで、「クリームの美味しさ」へのこだわりが格段にアップしていると感じます。

マリトッツォが買えないなら！自宅でできる超簡単アレンジレシピ

「もうローソンでは買えない…でも、あのクリームをたっぷり味わいたい！」そんなマリトッツォロスに陥っているあなたへ、朗報です。実は、マリトッツォは自宅で超簡単に、しかも安価に再現できるスイーツなんです！市販の材料を使えば、あっという間にあなただけのオリジナルマリトッツォを作ることができますよ。

マリトッツォ作りのポイントは、以下の3点です。

1. パン選び： ブリオッシュ生地に近い、丸くて、少し甘めのパンを選ぶこと。理想は、市販の「丸パン」や「バターロール」です。 2. クリーム選び： 濃厚さと口どけの良さを両立させること。市販のホイップクリームに、少しだけマスカルポーネチーズやクリームチーズを混ぜると、本格的な風味が出ます。 3. 切り込み方： 深く切りすぎず、ポケットを作るように切り込みを入れること。クリームが溢れすぎず、美しく仕上がります。

特に、クリームに一工夫加えるだけで、専門店にも負けない味わいになります。例えば、ホイップクリームにオレンジの皮のすりおろし（オレンジピール）を少し加えるだけで、本場ローマのマリトッツォのような爽やかな風味が加わります。また、抹茶パウダーやココアパウダーを混ぜて、和風やチョコ味のマリトッツォにするのも楽しいですよ。

市販のパンとホイップクリームを使った再現レシピ

さあ、実際に自宅でマリトッツォを再現してみましょう！

【自宅で簡単！マリトッツォ再現レシピ】

材料	目安量
丸パン（バターロールなど）	4個
市販のホイップクリーム	200ml（1パック）
砂糖	大さじ1〜2（お好みで調整）
マスカルポーネチーズ（あれば）	50g
バニラエッセンス	少々

【作り方（手順）】

• ステップ1：クリーム作り
  市販のホイップクリームをボウルに入れ、砂糖とバニラエッセンスを加えます。もしマスカルポーネチーズがあれば、これも加えて、角が立つまでしっかりと泡立てます。これがマリトッツォの生命線です！
• ステップ2：パンの準備
  丸パンの中央に、パンの厚さの半分から2/3くらいの深さで切り込みを入れます。完全に切り離さないように注意してください。
• ステップ3：クリーム充填
  切り込みを開き、泡立てたクリームをスプーンやヘラでたっぷりと挟み込みます。溢れるくらいの量を挟むのが、マリトッツォ流の贅沢な見た目を作るコツです。
• ステップ4：仕上げ
  最後に、茶こしなどで粉砂糖を軽く振りかけると、より本格的な仕上がりになります。冷蔵庫で少し冷やしてから食べると、クリームが安定して美味しくいただけます。
  ★ポイント：クリームを絞り袋に入れて絞り出すと、お店のようなきれいな形になりますよ。

市販のパンでも、クリームの質と量にこだわれば、ローソンストア100のマリトッツォにも負けない満足感が得られます。ぜひ試してみてください！

フルーツやチョコを使ったオリジナルマリトッツォ

自宅で作る醍醐味は、なんといっても「自由にアレンジできること」です！マリトッツォはシンプルな構造だからこそ、様々なトッピングやフィリングと相性が抜群です。ここでは、筆者おすすめのオリジナルマリトッツォのアイデアをご紹介します。

【オリジナルマリトッツォのアイデア】

アレンジテーマ	追加する材料	味の特徴
いちごみるく風	ホイップクリームに練乳、フレッシュないちごスライス	甘酸っぱさと濃厚なミルク感で、子どもから大人まで大人気。
大人なティラミス風	クリームにココアパウダー、パンにコーヒーシロップを軽く染み込ませる	ほろ苦さとクリームの甘さが絶妙なハーモニー。
抹茶とあんこ	ホイップクリームに抹茶パウダー、あんこ（つぶあんorこしあん）	和風マリトッツォ。抹茶のほろ苦さがクリームの甘さを引き締める。
チョコバナナ	バナナのスライスとチョコチップ、クリームにカカオパウダー	濃厚なチョコの風味とバナナのトロリとした食感が楽しい。

これらのアレンジは、市販のジャムやフルーツソースをクリームに混ぜるだけでも簡単にできます。特に、季節のフルーツ（例えば、夏のマンゴーや秋の栗など）を使うと、その時だけの特別なマリトッツォを楽しむことができます。マリトッツォブームは、私たちに「スイーツはもっと自由でいいんだ」ということを教えてくれたのかもしれませんね。

自分だけの黄金比を見つけて、ぜひSNSで発信してみてください！もしかしたら、あなたのアレンジが次のブームを巻き起こすかもしれませんよ。

ローソンの「プレミアムロールケーキ」から見るスイーツの「定番化」への道

マリトッツォが短命に終わった一方で、ローソンのスイーツとして不動の地位を築いているのが「プレミアムロールケーキ」です。2009年の発売以来、その美味しさと安定した品質で、ローソンを代表するスイーツとして君臨し続けています。このプレミアムロールケーキの成功の歴史を紐解くことは、マリトッツォがなぜ「定番化」できなかったのか、そして今後マリトッツォが再販された際に、どのような要素が必要になるのか、を理解する上で非常に重要です。

プレミアムロールケーキの成功要因は、いくつか挙げられますが、最も大きな点は「シンプル・イズ・ベスト」を極めたことです。スポンジ生地とクリームという、非常にシンプルな構成でありながら、素材の質を徹底的に追求しました。特に、スプーンで食べるという食べ方の提案は、当時のコンビニスイーツとしては斬新で、「ちょっとした贅沢」という新しい価値観を顧客に提供しました。

一方、マリトッツォは、その斬新な見た目とボリューム感で一気に話題になりましたが、シンプルさや食べやすさでは、ロールケーキに軍配が上がります。ロールケーキは、崩れにくく、オフィスや移動中など、様々なシーンで手軽に食べられる形状をしています。マリトッツォは、その特性上、どうしても「座ってじっくりと食べるスイーツ」になってしまいがちです。この「日常的な食べやすさ」こそが、マリトッツォの定番化を阻んだ大きな壁の一つと言えるでしょう。

プレミアムロールケーキの成功から学ぶべきは、「話題性だけでなく、日常に溶け込む工夫」の重要性です。もしマリトッツォが再販されるとしたら、「ミニサイズ化」や「カップ入り」など、より食べやすい形での登場が予想されます。

ロールケーキの成功要因とマリトッツォとの比較

ローソンのプレミアムロールケーキの成功要因とマリトッツォが直面した課題を比較することで、スイーツが「定番」になるための条件が見えてきます。

【プレミアムロールケーキとマリトッツォの比較】

項目	プレミアムロールケーキ	ローソンストア100 マリトッツォ
価格帯	標準（当時200円前後）	低価格（108円）
見た目（SNS映え）	控えめだが上品	圧倒的なインパクト（大）
食べやすさ	スプーンで簡単に、崩れにくい	手で食べる、クリームが溢れやすい
味の構成	シンプル、素材の質を追求	シンプル、クリームの量に特化
トレンド性	低（常に定番）	高（一過性のブーム）

この比較から分かるように、マリトッツォは「トレンド性」と「インパクト」ではロールケーキを圧倒しましたが、「食べやすさ」や「日常に溶け込むシンプルさ」では一歩譲りました。特に、価格帯の差も大きなポイントです。ロールケーキは、適正な価格で継続的に高品質を維持したことで、顧客の信頼を得ました。一方、マリトッツォの108円という価格は、話題を生んだ反面、継続的な品質維持や再販時の値上げのハードルを高めてしまった側面もあります。

定番化には、一時的な爆発力よりも、「普遍的な美味しさ」と「安定感」が求められるのです。

ローソン プレミアムロールケーキの歴史をGoogle検索で見てみる

ローソンのスイーツ開発のこだわり

ローソンは、コンビニスイーツ市場で常にリード役を担ってきた企業の一つです。そのスイーツ開発には、マリトッツォの販売を通じて見えた、いくつかの強いこだわりがあります。

（１）素材へのこだわり：
ローソンは、生乳や卵など、スイーツの核となる素材に非常にこだわります。特に「プレミアム」と名がつく商品は、素材の産地や製法を明確にし、安心感と特別感を顧客に提供しています。これは、マリトッツォのクリームが、大量生産品にもかかわらず高い評価を得たことからも裏付けられます。

（２）「驚き」と「新しさ」の追求：
マリトッツォの導入に見られるように、ローソンは常に新しいトレンドをいち早く取り入れることに積極的です。単なる真似ではなく、日本人の舌に合うようにアレンジし、ローソン独自の価値を付加して市場に投入します。この「攻めの姿勢」が、ローソンのスイーツコーナーを常に新鮮に保っています。

（３）提携メーカーの選定：
マリトッツォの製造を山崎製パンに委託したように、ローソンは商品の特性に応じて、最適な技術を持つ外部メーカーと連携する戦略を取っています。これにより、自社工場では難しい専門性の高い商品や、大量生産が必要な商品を、高い品質で提供することが可能になっています。この柔軟な提携戦略こそが、ローソンのスイーツ開発力の秘密です。

マリトッツォは一時的な役目を終えましたが、ローソンのスイーツ開発チームは、この経験を活かし、次の「国民的スイーツ」を生み出すために、今も研究を続けているはずです。次にローソンからどんなスイーツが登場するのか、期待して待ちましょう！

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